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ヨハネ黙示録
🔝
〘503㌻〙
第1章
1
これイエス・キリストの
默示
もくし
なり。
即
すなは
ち、かならず
速󠄃
すみや
かに
起󠄃
おこ
るべき
事
こと
を、その
僕
しもべ
どもに
顯
あらは
させんとて、
神
かみ
の
彼
かれ
に
與
あた
へしものなるを、
彼
かれ
その
使
つかひ
を
僕
しもべ
ヨハネに
遣󠄃
つかは
して
示
しめ
し
給
たま
へるなり。
2
ヨハネは
神
かみ
の
言
ことば
とイエス・キリストの
證
あかし
とに
就
つ
きて、その
見
み
しところを
悉
ことご
とく
證
あかし
せり。
3
此
こ
の
預言
よげん
の
言
ことば
を
讀
よ
む
者
もの
と
之
これ
を
聽
き
きて
其
そ
の
中
なか
に
錄
しる
されたることを
守
まも
る
者
もの
等
ども
とは
幸福
さいはひ
なり、
時
とき
近󠄃
ちか
ければなり。
4
ヨハネ
書
ふみ
をアジヤに
在
あ
る
七
なゝ
つの
敎會
けうくわい
に
贈
おく
る。
願
ねがは
くは
今
いま
在
いま
し、
昔
むかし
在
いま
し、
後
のち
來
きた
りたまふ
者
もの
および
其
そ
の
御座
みくら
の
前󠄃
まへ
にある
七
なゝ
つの
靈
れい
、
5
また
忠實
ちゅうじつ
なる
證人
しょうにん
、
死人
しにん
の
中
うち
より
最先
いやさき
に
生
うま
れ
給
たま
ひしもの、
地
ち
の
諸
しょ
王
わう
の
君
きみ
なるイエス・キリストより
賜
たま
ふ
恩惠
めぐみ
と
平󠄃安
へいあん
と
汝
なんぢ
らに
在
あ
らんことを。
願
ねが
はくは
我
われ
らを
愛
あい
し、その
血
ち
をもて
我
われ
らを
罪
つみ
より
解放
ときはな
ち、
6
われらを
其
そ
の
父󠄃
ちち
なる
神
かみ
のために《[*]》
國民
こくみん
となし
祭司
さいし
となし
給
たま
へる
者
もの
に、
世々
よゝ
限
かぎ
りなく
榮光
えいくわう
と
權力
ちから
とあらんことを、アァメン。[*異本「王」とあり。]
7
視
み
よ、
彼
かれ
は
雲
くも
の
中
うち
にありて
來
きた
りたまふ、
諸衆
もろもろ
の
目
め
、
殊
こと
に
彼
かれ
を
刺
さ
したる
者
もの
これを
見
み
ん、かつ
地上
ちじゃう
の
諸族
しょぞく
みな
彼
かれ
の
故
ゆゑ
に
歎
なげ
かん、
然
しか
り、アァメン。
8
今
いま
いまし、
昔
むかし
いまし、
後
のち
きたり
給
たま
ふ
主
しゅ
なる
全󠄃能
ぜんのう
の
神
かみ
いひ
給
たま
ふ『
我
われ
はアルパなり、オメガなり』
9
汝
なんぢ
らの
兄弟
きゃうだい
にして
汝
なんぢ
らと
共
とも
にイエスの
艱難
なやみ
と
國
くに
と
忍󠄄耐
にんたい
とに
與
あづか
る
我
われ
ヨハネ、
神
かみ
の
言
ことば
とイエスの
證
あかし
との
爲
ため
にパトモスといふ
島
しま
に
在
あ
りき。
503㌻
10
われ
主日
しゅじつ
に
御靈
みたま
に
感
かん
じゐたるに、
我
わ
が
後
うしろ
にラッパのごとき
大
おほい
なる
聲
こゑ
を
聞
き
けり。
11
曰
いは
く『なんぢの
見
み
る
所󠄃
ところ
のことを
書
ふみ
に
錄
しる
して、エペソ、スミルナ、ペルガモ、テアテラ、サルデス、ヒラデルヒヤ、ラオデキヤに
在
あ
る
七
なゝ
つの
敎會
けうくわい
に
贈
おく
れ』
12
われ
振反
ふりかへ
りて
我
われ
に
語
かた
る
聲
こゑ
を
見
み
んとし、
振反
ふりかへ
り
見
み
れば
七
なゝ
つの
金
きん
の
燈臺
とうだい
あり。
13
また
燈臺
とうだい
の
間
あひだ
に
人
ひと
の
子
こ
のごとき
者
もの
ありて、
足
あし
まで
垂
た
るる
衣
ころも
を
著
き
、
胸
むね
に
金
きん
の
帶
おび
を
束
つか
ね、
14
その
頭
かしら
と
頭髮
かみのけ
とは
白
しろ
き
毛
け
のごとく
雪󠄃
ゆき
のごとく
白
しろ
く、その
目
め
は
燄
ほのほ
のごとく、
15
その
足
あし
は
爐
ろ
にて
燒
や
きたる
輝
かゞや
ける
眞鍮
しんちゅう
のごとく、その
聲
こゑ
は
衆
おほく
の
水
みづ
の
聲
こゑ
のごとし。
16
その
右
みぎ
の
手
て
に
七
なゝ
つの
星
ほし
を
持
も
ち、その
口
くち
より
兩刃󠄃
もろは
の
利
と
き
劍
つるぎ
いで、その
顏
かほ
は
烈
はげ
しく
照
て
る
日
ひ
のごとし。
17
我
われ
これを
見
み
しとき
其
そ
の
足下
あしもと
に
倒
たふ
れて
死
し
にたる
者
もの
の
如
ごと
くなれり。
彼
かれ
その
右
みぎ
の
手
て
を
我
われ
に
按
お
きて
言
い
ひたまふ『
懼
おそ
るな、
我
われ
は
最先
いやさき
なり、
最後
いやはて
なり、
〘367㌻〙
18
活
い
ける
者
もの
なり、われ
曾
かつ
て
死
し
にたりしが、
視
み
よ、
世々
よゝ
限
かぎ
りなく
生
い
く。また
死
し
と
陰府
よみ
との
鍵
かぎ
を
有
も
てり。
19
されば
汝
なんぢ
が
見
み
しことと、
今
いま
あることと、
後
のち
に
成
な
らんとする
事
こと
とを
錄
しる
せ、
20
即
すなは
ち
汝
なんぢ
が
見
み
しところの
我
わ
が
右
みぎ
の
手
て
にある
七
なゝ
つの
星
ほし
と
七
なゝ
つの
金
きん
の
燈臺
とうだい
との
奧義
おくぎ
なり。
七
なゝ
つの
星
ほし
は
七
なゝ
つの
敎會
けうくわい
の
使
つかひ
にして、
七
なゝ
つの
燈臺
とうだい
は
七
なゝ
つの
敎會
けうくわい
なり。
第2章
1
エペソに
在
あ
る
敎會
けうくわい
の
使
つかひ
に
書
か
きおくれ。
「
右
みぎ
の
手
て
に
七
なゝ
つの
星
ほし
を
持
も
つ
者
もの
、
七
なゝ
つの
金
きん
の
燈臺
とうだい
の
間
あひだ
に
步
あゆ
むもの
斯
か
く
言
い
ふ、
2
われ
汝
なんぢ
の
行爲
おこなひ
と
勞
らう
と
忍󠄄耐
にんたい
とを
知
し
る。また
汝
なんぢ
が
惡
あ
しき
者
もの
を
忍󠄄
しの
び
得
え
ざることと、
自
みづか
ら
使徒
しと
と
稱
とな
へて
使徒
しと
にあらぬ
者
もの
どもを
試
こゝろ
みて、その
虛僞
いつはり
なるを
見
み
あらはししこととを
知
し
る。
504㌻
3
なんぢは
忍󠄄耐
にんたい
を
保
たも
ち、
我
わ
が
名
な
のために
忍󠄄
しの
びて
倦
う
まざりき。
4
然
さ
れど
我
われ
なんぢに
責
せ
むべき
所󠄃
ところ
あり、なんぢは
初
はじめ
の
愛
あい
を
離
はな
れたり。
5
然
さ
れば、なんぢ
何處
いづこ
より
墜
お
ちしかを
思
おも
へ、
悔改
くいあらた
めて
初
はじめ
の
行爲
おこなひ
をなせ、
然
しか
らずして
若
も
し
悔改
くいあらた
めずば、
我
われ
なんぢに
到
いた
り、
汝
なんぢ
の
燈臺
とうだい
をその
處
ところ
より
取除
とりのぞ
かん。
6
されど
汝
なんぢ
に
取
と
るべき
所󠄃
ところ
あり、
汝
なんぢ
はニコライ
宗
しゅう
の
行爲
おこなひ
を
憎
にく
む、
我
われ
も
之
これ
を
憎
にく
むなり。
7
耳
みゝ
ある
者
もの
は
御靈
みたま
の
諸
しょ
敎會
けうくわい
に
言
い
ひ
給
たま
ふことを
聽
き
くべし、
勝󠄃
かち
を
得
う
る
者
もの
には、われ
神
かみ
のパラダイスに
在
あ
る
生命
いのち
の
樹
き
の
實
み
を
食󠄃
くら
ふことを
許
ゆる
さん」
8
スミルナに
在
あ
る
敎會
けうくわい
の
使
つかひ
に
書
か
きおくれ。
「
最先
いやさき
にして
最後
いやはて
なる
者
もの
、
死人
しにん
となりて
復
また
生
い
きし
者
もの
、かく
言
い
ふ。
9
われ
汝
なんぢ
の
艱難
なやみ
と
貧󠄃窮
まづしき
とを
知
し
る――されど
汝
なんぢ
は
富
と
める
者
もの
なり。
我
われ
はまた
自
みづか
らユダヤ
人
びと
と
稱
とな
へてユダヤ
人
びと
にあらず、サタンの
會
くわい
に
屬
つ
く
者
もの
より
汝
なんぢ
が
譏
そしり
を
受
う
くるを
知
し
る。
10
なんぢ
受
う
けんとする
苦難
くるしみ
を
懼
おそ
るな、
視
み
よ、
惡魔󠄃
あくま
なんぢらを
試
こゝろ
みんとて、
汝
なんぢ
らの
中
うち
の
或
ある
者
もの
を
獄
ひとや
に
入
い
れんとす。
汝
なんぢ
ら
十日
とをか
のあひだ
患難
なやみ
を
受
う
けん、なんぢ
死
し
に
至
いた
るまで
忠實
ちゅうじつ
なれ、
然
さ
らば
我
われ
なんぢに
生命
いのち
の
冠冕
かんむり
を
與
あた
へん。
11
耳
みゝ
ある
者
もの
は
御靈
みたま
の
諸
しょ
敎會
けうくわい
に
言
い
ひ
給
たま
ふことを
聽
き
くべし。
勝󠄃
かち
を
得
う
るものは
第二
だいに
の
死
し
に
害󠄅
そこな
はるることなし」
12
ペルガモに
在
あ
る
敎會
けうくわい
の
使
つかひ
に
書
か
きおくれ。
「
兩刃󠄃
もろは
の
利
と
き
劍
つるぎ
を
持
も
つもの
斯
か
く
言
い
ふ、
13
われ
汝
なんぢ
の
住󠄃
す
むところを
知
し
る、
彼處
かしこ
にはサタンの
座位
くらゐ
あり、
汝
なんぢ
わが
名
な
を
保
たも
ち、わが
忠實
ちゅうじつ
なる
證人
しょうにん
アンテパスが、
汝
なんぢ
等
ら
のうち
即
すなは
ちサタンの
住󠄃
す
む
所󠄃
ところ
にて
殺
ころ
されし
時
とき
も、なほ
我
われ
を
信
しん
ずる
信仰
しんかう
を
棄
す
てざりき。
505㌻
14
されど
我
われ
なんぢに
責
せ
むべき
一二
いちに
の
事
こと
あり、
汝
なんぢ
の
中
うち
にバラムの
敎
をしへ
を
保
たも
つ
者
もの
どもあり、バラムはバラクに
敎
をし
へ、
彼
かれ
をしてイスラエルの
子孫
しそん
の
前󠄃
まへ
に
躓物
つまづき
を
置
お
かしめ、
偶像
ぐうざう
に
献
さゝ
げし
物
もの
を
食󠄃
くら
はせ、かつ
淫行
いんかう
をなさしめたり。
〘368㌻〙
15
斯
かく
のごとく
汝
なんぢ
らの
中
うち
にもニコライ
宗
しゅう
の
敎
をしへ
を
保
たも
つ
者
もの
あり。
16
されば
悔改
くいあらた
めよ、
然
しか
らずば
我
われ
すみやかに
汝
なんぢ
に
到
いた
り、わが
口
くち
の
劍
つるぎ
にて
彼
かれ
らと
戰
たゝか
はん。
17
耳
みゝ
ある
者
もの
は
御靈
みたま
の
諸
しょ
敎會
けうくわい
に
言
い
ひ
給
たま
ふことを
聽
き
くべし、
勝󠄃
かち
を
得
う
る
者
もの
には
我
われ
かくれたるマナを
與
あた
へん、また
受
う
くる
者
もの
の
外
ほか
、たれも
知
し
らざる
新
あたら
しき
名
な
を
錄
しる
したる
白
しろ
き
石
いし
を
與
あた
へん」
18
テアテラに
在
あ
る
敎會
けうくわい
の
使
つかひ
に
書
か
きおくれ。
「
目
め
は
焔
ほのほ
のごとく、
足
あし
は
輝
かゞや
ける
眞鍮
しんちゅう
の
如
ごと
くなる
神
かみ
の
子
こ
、かく
言
い
ふ、
19
われ
汝
なんぢ
の
行爲
おこなひ
および
汝
なんぢ
の
愛
あい
と
信仰
しんかう
と
職
つとめ
と
忍󠄄耐
にんたい
とを
知
し
る、
又󠄂
また
なんぢの
初
はじめ
の
行爲
おこなひ
よりは
後
のち
の
行爲
おこなひ
の
多
おほ
きことを
知
し
る。
20
されど
我
われ
なんぢに
責
せ
むべき
所󠄃
ところ
あり、
汝
なんぢ
はかの
自
みづか
ら
預言者
よげんしゃ
と
稱
とな
へて
我
わ
が
僕
しもべ
を
敎
をし
へ
惑
まどは
し、
淫行
いんかう
をなさしめ、
偶像
ぐうざう
に
献
さゝ
げし
物
もの
を
食󠄃
くら
はしむる
女
をんな
イゼベルを
容
い
れおけり。
21
我
われ
かれに
悔改
くいあらた
むる
機
をり
を
與
あた
ふれど、その
淫行
いんかう
を
悔改
くいあらた
むることを
欲
ほっ
せず。
22
視
み
よ、
我
われ
かれを
牀
とこ
に
投
な
げ
入
い
れん、
又󠄂
また
かれと
共
とも
に
姦淫
かんいん
を
行
おこな
ふ
者
もの
も、その
行爲
おこなひ
を
悔改
くいあらた
めずば、
大
おほい
なる
患難
なやみ
に
投
な
げ
入
い
れん。
23
又󠄂
また
かれの
子供
こども
を
打
う
ち
殺
ころ
さん、
斯
かく
てもろもろの
敎會
けうくわい
は、わが
人
ひと
の
腎
むらと
と
心
こゝろ
とを
究
きは
むる
者
もの
なるを
知
し
るべし、
我
われ
は
汝
なんぢ
等
ら
おのおのの
行爲
おこなひ
に
隨
したが
ひて
報
むく
いん。
24
我
われ
この
他
ほか
のテアテラの
人
ひと
にして
未
いま
だかの
敎
をしへ
を
受
う
けず、
所󠄃謂
いはゆる
サタンの
深
ふか
きところを
知
し
らぬ
汝
なんぢ
らに
斯
か
くいふ、
我
われ
ほかの
重
おもき
を
汝
なんぢ
らに
負󠄅
お
はせじ。
506㌻
25
ただ
汝
なんぢ
等
ら
はその
有
も
つところを
我
わ
が
到
いた
らん
時
とき
まで
保
たも
て。
26
勝󠄃
かち
を
得
え
て
終󠄃
をはり
に
至
いた
るまで
我
わ
が
命
めい
ぜしことを
守
まも
る
者
もの
には、
諸國
しょこく
の
民
たみ
を
治
をさ
むる
權威
けんゐ
を
與
あた
へん。
27
彼
かれ
は
鐵
てつ
の
杖
つゑ
をもて
之
これ
を
治
をさ
め、
土
つち
の
器
うつは
を
碎
くだ
くが
如
ごと
くならん、
我
わ
が
父󠄃
ちち
より
我
わ
が
受
う
けたる
權威
けんゐ
のごとし。
28
我
われ
また
彼
かれ
に
曙
あけ
の
明星
みゃうじゃう
を
與
あた
へん。
29
耳
みゝ
ある
者
もの
は
御靈
みたま
の
諸
しょ
敎會
けうくわい
に
言
い
ひ
給
たま
ふことを
聽
き
くべし」
第3章
1
サルデスに
在
あ
る
敎會
けうくわい
の
使
つかひ
に
書
か
きおくれ。
「
神
かみ
の
七
なゝ
つの
靈
れい
と
七
なゝ
つの
星
ほし
とを
持
も
つ
者
もの
かく
言
い
ふ、われ
汝
なんぢ
の
行爲
おこなひ
を
知
し
る、
汝
なんぢ
は
生
い
くる
名
な
あれど
死
し
にたる
者
もの
なり。
2
なんぢ
目
め
を
覺
さま
し、
殆
ほと
んど
死
し
なんとする
殘
のこり
のものを
堅
かた
うせよ、
我
われ
なんぢの
行爲
おこなひ
のわが
神
かみ
の
前󠄃
まへ
に
全󠄃
まった
からぬを
見
み
とめたり。
3
されば
汝
なんぢ
の
如何
いか
に
受
う
けしか、
如何
いか
に
聽
き
きしかを
思
おも
ひいで、
之
これ
を
守
まも
りて
悔改
くいあらた
めよ。もし
目
め
を
覺
さま
さずば
盜人
ぬすびと
のごとく
我
われ
きたらん、
汝
なんぢ
わが
何
いづ
れの
時
とき
きたるかを
知
し
らざるべし。
〘369㌻〙
4
然
さ
れどサルデスにて
衣
ころも
を
汚
けが
さぬもの
數名
すめい
あり、
彼
かれ
らは
白
しろ
き
衣
ころも
を
著
き
て
我
われ
とともに
步
あゆ
まん、
斯
か
くするに
相應
ふさは
しき
者
もの
なればなり。
5
勝󠄃
かち
を
得
う
る
者
もの
は
斯
かく
のごとく
白
しろ
き
衣
ころも
を
著
き
せられん、
我
われ
その
名
な
を
生命
いのち
の
書
ふみ
より
消󠄃
け
し
落
おと
さず、
我
わ
が
父󠄃
ちち
のまへと
御使
みつかひ
の
前󠄃
まへ
とにてその
名
な
を
言
い
ひあらはさん。
6
耳
みゝ
ある
者
もの
は
御靈
みたま
の
諸
しょ
敎會
けうくわい
に
言
い
ひ
給
たま
ふことを
聽
き
くべし」
7
ヒラデルヒヤにある
敎會
けうくわい
の
使
つかひ
に
書
か
きおくれ。
「
聖󠄄
せい
なるもの
眞
まこと
なる
者
もの
、ダビデの
鍵
かぎ
を
持
も
ちて、
開
ひら
けば
閉
と
づる
者
もの
なく、
閉
と
づれば
開
ひら
く
者
もの
なき
者
もの
かく
言
い
ふ、
8
われ
汝
なんぢ
の
行爲
おこなひ
を
知
し
る、
視
み
よ、
我
われ
なんぢの
前󠄃
まへ
に
開
ひら
けたる
門
もん
を
置
お
く、これを
閉
と
ぢ
得
う
る
者
もの
なし。
汝
なんぢ
すこしの
力
ちから
ありて、
我
わ
が
言
ことば
を
守
まも
り、
我
わ
が
名
な
を
否
いな
まざりき。
507㌻
9
視
み
よ、
我
われ
サタンの
會
くわい
、すなはち
自
みづか
らユダヤ
人
びと
と
稱
とな
へてユダヤ
人
びと
にあらず、ただ
虛僞
いつはり
をいふ
者
もの
の
中
うち
より、
或
ある
者
もの
をして
汝
なんぢ
の
足下
あしもと
に
來
きた
り
拜
はい
せしめ、わが
汝
なんぢ
を
愛
あい
せしことを
知
し
らしめん。
10
汝
なんぢ
わが
忍󠄄耐
にんたい
の
言
ことば
を
守
まも
りし
故
ゆゑ
に、
我
われ
なんぢを
守
まも
りて、
地
ち
に
住󠄃
す
む
者
もの
どもを
試
こゝろ
むるために
全󠄃世界
ぜんせかい
に
來
きた
らんとする
試鍊
こころみ
のときに
免
まぬか
れしめん。
11
われ
速󠄃
すみや
かに
來
きた
らん、
汝
なんぢ
の
有
も
つものを
守
まも
りて、
汝
なんぢ
の
冠冕
かんむり
を
人
ひと
に
奪
うば
はれざれ。
12
われ
勝󠄃
かち
を
得
う
る
者
もの
を
我
わ
が
神
かみ
の
聖󠄄所󠄃
せいじょ
の
柱
はしら
とせん、
彼
かれ
は
再
ふたた
び
外
そと
に
出
い
でざるべし、
又󠄂
また
かれの
上
うへ
に、わが
神
かみ
の
名
な
および
我
わ
が
神
かみ
の
都
みやこ
、すなはち
天
てん
より
我
わ
が
神
かみ
より
降
くだ
る
新
あたら
しきエルサレムの
名
な
と、
我
わ
が
新
あたら
しき
名
な
とを
書
か
き
記
しる
さん。
13
耳
みゝ
ある
者
もの
は
御靈
みたま
の
諸
しょ
敎會
けうくわい
に
言
い
ひ
給
たま
ふことを
聽
き
くべし」
14
ラオデキヤに
在
あ
る
敎會
けうくわい
の
使
つかひ
に
書
か
きおくれ。
「アァメンたる
者
もの
、
忠實
ちゅうじつ
なる
眞
まこと
なる
證人
しょうにん
、
神
かみ
の
造󠄃
つく
り
給
たま
ふものの
本源
ほんげん
たる
者
もの
かく
言
い
ふ、
15
われ
汝
なんぢ
の
行爲
おこなひ
を
知
し
る、なんぢは
冷
ひやゝ
かにもあらず
熱
あつ
きにもあらず、
我
われ
はむしろ
汝
なんぢ
が
冷
ひやゝ
かならんか、
熱
あつ
からんかを
願
ねが
ふ。
16
かく
熱
あつ
きにもあらず、
冷
ひやゝ
かにもあらず、ただ
微溫
ぬる
きが
故
ゆゑ
に、
我
われ
なんぢを
我
わ
が
口
くち
より
吐
はき
出
いだ
さん。
17
なんぢ、
我
われ
は
富
と
めり、
豐
ゆたか
なり、
乏
とも
しき
所󠄃
ところ
なしと
言
い
ひて、
己
おの
が
惱
なや
める
者
もの
・
憐
あはれ
むべき
者
もの
・
貧󠄃
まづ
しき
者
もの
・
盲目
めしひ
なる
者
もの
・
裸
はだか
なる
者
もの
たるを
知
し
らざれば、
18
我
われ
なんぢに
勸
すゝ
む、なんぢ
我
われ
より
火
ひ
にて
煉
ね
りたる
金
きん
を
買
か
ひて
富
と
め、
白
しろ
き
衣
ころも
を
買
か
ひて
身
み
に
纒
まと
ひ、なんぢの
裸體
はだか
の
恥
はぢ
を
露
あらは
さざれ、
眼藥
めぐすり
を
買
か
ひて
汝
なんぢ
の
目
め
に
塗
ぬ
り、
見
み
ることを
得
え
よ。
508㌻
19
凡
すべ
てわが
愛
あい
する
者
もの
は、
我
われ
これを
戒
いまし
め、
之
これ
を
懲
こら
す。この
故
ゆゑ
に、なんぢ
勵
はげ
みて
悔改
くいあらた
めよ。
20
視
み
よ、われ
戶
と
の
外
そと
に
立
た
ちて
叩
たゝ
く、
人
ひと
もし
我
わ
が
聲
こゑ
を
聞
き
きて
戶
と
を
開
ひら
かば、
我
われ
その
內
うち
に
入
い
りて
彼
かれ
とともに
食󠄃
しょく
し、
彼
かれ
もまた
我
われ
とともに
食󠄃
しょく
せん。
〘370㌻〙
21
勝󠄃
かち
を
得
う
る
者
もの
には
我
われ
とともに
我
わ
が
座位
くらゐ
に
坐
ざ
することを
許
ゆる
さん、
我
われ
の
勝󠄃
かち
を
得
え
しとき、
我
わ
が
父󠄃
ちち
とともに
其
そ
の
御座
みくら
に
坐
ざ
したるが
如
ごと
し。
22
耳
みゝ
ある
者
もの
は
御靈
みたま
の
諸
しょ
敎會
けうくわい
に
言
い
ひ
給
たま
ふことを
聽
き
くべし」』
第4章
1
この
後
のち
われ
見
み
しに、
視
み
よ、
天
てん
に
開
ひら
けたる
門
もん
あり。
初
はじめ
に
我
われ
に
語
かた
るを
聞
き
きしラッパのごとき
聲
こゑ
いふ『ここに
登
のぼ
れ、
我
われ
この
後
のち
おこるべき
事
こと
を
汝
なんぢ
に
示
しめ
さん』
2
直
たゞ
ちに、われ
御靈
みたま
に
感
かん
ぜしが、
視
み
よ、
天
てん
に
御座
みくら
設
まう
けあり。
3
その
御座
みくら
に
坐
ざ
したまふ
者
もの
あり、その
坐
ざ
し
給
たま
ふものの
狀
さま
は
碧玉
へきぎょく
・
赤瑪瑙
あかめなう
のごとく、かつ
御座
みくら
の
周󠄃圍
まはり
には
緑玉
りょくぎょく
のごとき
虹
にじ
ありき。
4
また
御座
みくら
のまはりに
二十四
にじふし
の
座位
くらゐ
ありて、
二十四人
にじふよにん
の
長老
ちゃうらう
、
白
しろ
き
衣
ころも
を
纒
まと
ひ、
首
かうべ
に
金
きん
の
冠冕
かんむり
を
戴
いたゞ
きて、その
座位
くらゐ
に
坐
ざ
せり。
5
御座
みくら
より
數多
あまた
の
電光
いなづま
と
聲
こゑ
と
雷霆
いかづち
と
出
い
づ。また
御座
みくら
の
前󠄃
まへ
に
燃
も
えたる
七
なゝ
つの
燈火
ともしび
あり、これ
神
かみ
の
七
なゝ
つの
靈
れい
なり。
6
御座
みくら
のまへに
水晶
すゐしゃう
に
似
に
たる
玻璃
はり
の
海
うみ
あり。
御座
みくら
の
中央
ちゅうおう
と
御座
みくら
の
周󠄃圍
まはり
とに
四
よ
つの
活物
いきもの
ありて、
前󠄃
まへ
も
後
うしろ
も
數々
かずかず
の
目
め
にて
滿
み
ちたり。
7
第一
だいいち
の
活物
いきもの
は
獅子
しゝ
のごとく、
第二
だいに
の
活物
いきもの
は
牛
うし
のごとく、
第三
だいさん
の
活物
いきもの
は
面
かほ
のかたち
人
ひと
のごとく、
第四
だいし
の
活物
いきもの
は
飛
と
ぶ
鷲
わし
のごとし。
8
この
四
よ
つの
活物
いきもの
おのおの
六
む
つの
翼
つばさ
あり、
翼
つばさ
の
內
うち
も
外
そと
も
數々
かずかず
の
目
め
にて
滿
み
ちたり、
日
ひる
も
夜
よる
も
絕間
たえま
なく
言
い
ふ、 『
聖󠄄
せい
なるかな、
聖󠄄
せい
なるかな、
聖󠄄
せい
なるかな、
昔
むかし
在
いま
し、
今
いま
在
いま
し、
後
のち
來
きた
りたまふ
主
しゅ
たる
全󠄃能
ぜんのう
の
神
かみ
』
509㌻
9
この
活物
いきもの
ら
御座
みくら
に
坐
ざ
し、
世々
よよ
限
かぎ
りなく
活
い
きたまふ
者
もの
に
榮光
えいくわう
と
尊󠄅崇
たふとき
とを
歸
き
し、
感謝
かんしゃ
する
時
とき
、
10
二十四人
にじふよにん
の
長老
ちゃうらう
、
御座
みくら
に
坐
ざ
したまふ
者
もの
のまへに
伏
ふ
し、
世々
よよ
限
かぎ
りなく
活
い
きたまふ
者
もの
を
拜
はい
し、おのれの
冠冕
かんむり
を
御座
みくら
のまへに
投
な
げ
出
いだ
して
言
い
ふ、
11
『
我
われ
らの
主
しゅ
なる
神
かみ
よ、
榮光
えいくわう
と
尊󠄅崇
たふとき
と
能力
ちから
とを
受
う
け
給
たま
ふは
宜
うべ
なり。
汝
なんぢ
は
萬物
ばんもつ
を
造󠄃
つく
りたまひ、
萬物
ばんもつ
は
御意󠄃
みこゝろ
によりて
存
そん
し、かつ
造󠄃
つく
られたり』
第5章
1
我
われ
また
御座
みくら
に
坐
ざ
し
給
たま
ふ
者
もの
の
右
みぎ
の
手
て
に、
卷
まき
物
もの
のあるを
見
み
たり、その
裏表
うらおもて
に
文字
もじ
あり、
七
なゝ
つの
印
いん
をもて
封
ふう
ぜらる。
2
また
大聲
おほごゑ
に『
卷
まき
物
もの
を
開
ひら
きてその
封印
ふういん
を
解
と
くに
相應
ふさは
しき
者
もの
は
誰
たれ
ぞ』と
呼
よば
はる
强
つよ
き
御使
みつかひ
を
見
み
たり。
3
然
しか
るに
天
てん
にも
地
ち
にも、
地
ち
の
下
した
にも、
卷
まき
物
もの
を
開
ひら
きて
之
これ
を
見
み
得
う
る
者
もの
なかりき。
4
卷
まき
物
もの
を
開
ひら
き、これを
見
み
るに
相應
ふさは
しき
者
もの
の
見
み
えざりしに
因
よ
りて、
我
われ
いたく
泣
な
きゐたりしに、
5
長老
ちゃうらう
の
一人
ひとり
われに
言
い
ふ『
泣
な
くな、
視
み
よ、ユダの
族
やから
の
獅子
しゝ
・ダビデの
萠蘗
ひこばえ
、すでに
勝󠄃
かち
を
得
え
て
卷
まき
物
もの
とその
七
なゝ
つの
封印
ふういん
とを
開
ひら
き
得
う
るなり』
〘371㌻〙
6
我
われ
また
御座
みくら
および
四
よ
つの
活物
いきもの
と
長老
ちゃうらう
たちとの
間
あひだ
に、
屠
ほふ
られたるが
如
ごと
き
羔羊
こひつじ
の
立
た
てるを
見
み
たり、
之
これ
に
七
なゝ
つの
角
つの
と
七
なゝ
つの
目
め
とあり、この
目
め
は
全󠄃世界
ぜんせかい
に
遣󠄃
つかは
されたる
神
かみ
の
七
なゝ
つの
靈
れい
なり。
7
かれ
來
きた
りて
御座
みくら
に
坐
ざ
したまふ
者
もの
の
右
みぎ
の
手
て
より
卷
まき
物
もの
を
受
う
けたり。
8
卷
まき
物
もの
を
受
う
けたるとき、
四
よ
つの
活物
いきもの
および
二十四人
にじふよにん
の
長老
ちゃうらう
、おのおの
立琴
たてごと
と
香
かう
の
滿
み
ちたる
金
きん
の
鉢
はち
とをもちて、
羔羊
こひつじ
の
前󠄃
まへ
に
平󠄃伏
ひれふ
せり、
此
こ
の
香
かう
は
聖󠄄徒
せいと
の
祈禱
いのり
なり。
9
斯
かく
て
新
あたら
しき
歌
うた
を
謳
うた
ひて
言
い
ふ 『なんぢは
卷
まき
物
もの
を
受
う
け、その
封印
ふういん
を
解
と
くに
相應
ふさは
しきなり、
汝
なんぢ
は
屠
ほふ
られ、その
血
ち
をもて
諸種
もろもろ
の
族
やから
・
國語
くにことば
・
民
たみ
・
國
くに
の
中
うち
より
人々
ひとびと
を
神
かみ
のために
買
か
ひ、
10
之
これ
を
我
われ
らの
神
かみ
のために《[*]》
國民
こくみん
となし、
祭司
さいし
となし
給
たま
へばなり。
彼
かれ
らは
地
ち
の
上
うへ
に
王
わう
となるべし』[*異本「王」とあり。]
510㌻
11
我
われ
また
見
み
しに、
御座
みくら
と
活物
いきもの
と
長老
ちゃうらう
たちとの
周󠄃圍
まはり
にをる
多
おほ
くの
御使
みつかひ
の
聲
こゑ
を
聞
き
けり。その
數
かず
千々萬々
せんせんまんまん
にして、
12
大聲
おほごゑ
にいふ 『
屠
ほふ
られ
給
たま
ひし
羔羊
こひつじ
こそ、
能力
ちから
と
富
とみ
と
知慧󠄄
ちゑ
と
勢威
いきほひ
と
尊󠄅崇
たうとき
と
榮光
えいくわう
と
讃美
さんび
とを
受
う
くるに
相應
ふさは
しけれ』
13
我
われ
また
天
てん
に、
地
ち
に、
地
ち
の
下
した
に、
海
うみ
にある
萬
よろづ
の
造󠄃
つく
られたる
物
もの
、また
凡
すべ
てその
中
うち
にある
物
もの
の
云
い
へるを
聞
き
けり。
曰
いは
く 『
願
ねが
はくは
御座
みくら
に
坐
ざ
し
給
たま
ふものと
羔羊
こひつじ
とに、
讃美
さんび
と
尊󠄅崇
たうとき
と
榮光
えいくわう
と
權力
ちから
と
世々
よゝ
限
かぎ
りなくあらん
事
こと
を』
14
四
よ
つの
活物
いきもの
はアァメンと
言
い
ひ、
長老
ちゃうらう
たちは
平󠄃伏
ひれふ
して
拜
はい
せり。
第6章
1
羔羊
こひつじ
その
七
なゝ
つの
封印
ふういん
の
一
ひと
つを
解
と
き
給
たま
ひし
時
とき
、われ
見
み
しに、
四
よ
つの
活物
いきもの
の
一
ひと
つが
雷霆
いかづち
のごとき
聲
こゑ
して『
來
きた
れ』と
言
い
ふを
聞
き
けり。
2
また
見
み
しに、
視
み
よ、
白
しろ
き
馬
うま
あり、
之
これ
に
乘
の
るもの
弓
ゆみ
を
持
も
ち、かつ
冠冕
かんむり
を
與
あた
へられ、
勝󠄃
か
ちて
復
また
勝󠄃
か
たんとて
出
い
でゆけり。
3
第二
だいに
の
封印
ふういん
を
解
と
き
給
たま
ひたれば、
第二
だいに
の
活物
いきもの
の『
來
きた
れ』と
言
い
ふを
聞
き
けり。
4
斯
かく
て
赤
あか
き
馬
うま
いで
來
きた
り、これに
乘
の
るもの、
地
ち
より
平󠄃和
へいわ
を
奪
うば
ひ
取
と
ることと、
人
ひと
をして
互
たがひ
に
殺
ころ
さしむる
事
こと
とを
許
ゆる
され、また
大
おほい
なる
劍
つるぎ
を
與
あた
へられたり。
〘372㌻〙
5
第三
だいさん
の
封印
ふういん
を
解
と
き
給
たま
ひたれば、
第三
だいさん
の
活物
いきもの
の『
來
きた
れ』と
言
い
ふを
聞
き
けり。われ
見
み
しに、
視
み
よ、
黑
くろ
き
馬
うま
あり、
之
これ
に
乘
の
るもの
手
て
に
權衝
はかり
を
持
も
てり。
6
斯
かく
て、われ
四
よ
つの
活物
いきもの
の
間
あひだ
より
出
い
づるごとき
聲
こゑ
を
聞
き
けり。
曰
いは
く『
小麥
こむぎ
五合
ごがふ
は
一
いち
デナリ、
大麥
おほむぎ
一升
いちしょう
五合
ごがふ
は
一
いち
デナリなり、
油
あぶら
と
葡萄酒
ぶだうしゅ
とを
害󠄅
そこな
ふな』
511㌻
7
第四
だいし
の
封印
ふういん
を
解
と
き
給
たま
ひたれば、
第四
だいし
の
活物
いきもの
の『
來
きた
れ』と
言
い
ふを
聞
き
けり。
8
われ
見
み
しに、
視
み
よ、
靑
あを
ざめたる
馬
うま
あり、
之
これ
に
乘
の
る
者
もの
の
名
な
を
死
し
といひ、
陰府
よみ
これに
隨
したが
ふ、かれらは
地
ち
の
四
し
分󠄃
ぶん
の
一
いち
を
支配
しはい
し、
劍
つるぎ
と
饑饉
ききん
と
死
し
と
地
ち
の
獸
けもの
とをもて、
人
ひと
を
殺
ころ
すことを
許
ゆる
されたり。
9
第五
だいご
の
封印
ふういん
を
解
と
き
給
たま
ひたれば、
曾
か
つて
神
かみ
の
言
ことば
のため、
又󠄂
また
その
立
た
てし
證
あかし
のために
殺
ころ
されし
者
もの
の
靈魂
たましひ
の
祭壇
さいだん
の
下
した
に
在
あ
るを
見
み
たり。
10
彼
かれ
ら
大聲
おほごゑ
に
呼
よば
はりて
言
い
ふ『
聖󠄄
せい
にして
眞
まこと
なる
主
しゅ
よ、
何時
いつ
まで
審
さば
かずして
地
ち
に
住󠄃
す
む
者
もの
に
我
われ
らの
血
ち
の
復讐
ふくしう
をなし
給
たま
はぬか』
11
爰
こゝ
におのおの
白
しろ
き
衣
ころも
を
與
あた
へられ、かつ
己
おのれ
等
ら
のごとく
殺
ころ
されんとする
同
おな
じ
僕
しもべ
たる
者
もの
と
兄弟
きゃうだい
との
數
かず
の
滿
み
つるまで、なほ
暫
しばら
く
安
やす
んじて
待
ま
つべきを
言
いひ
聞
き
けられたり。
12
第六
だいろく
の
封印
ふういん
を
解
と
き
給
たま
ひし
時
とき
、われ
見
み
しに、
大
おほい
なる
地震
ぢしん
ありて、
日
ひ
は
荒
あら
き
毛
け
布
ぬの
のごとく
黑
くろ
く、
月
つき
は
全󠄃面
ぜんめん
血
ち
の
如
ごと
くなり、
13
天
てん
の
星
ほし
は
無花果
いちぢく
の
樹
き
の
大風
おほかぜ
に
搖
ゆ
られて
生
なり
後
おくれ
の
果
み
の
落
お
つるごとく
地
ち
におち、
14
天
てん
は
卷
まき
物
もの
を
捲
ま
くごとく
去
さ
りゆき、
山
やま
と
島
しま
とは
悉
ことご
とくその
處
ところ
を
移
うつ
されたり。
15
地
ち
の
王
わう
たち・
大臣
だいじん
・
將校
しゃうかう
・
富
と
める
者
もの
・
强
つよ
き
者
もの
・
奴隷
どれい
・
自主
じしゅ
の
人
ひと
みな
洞
ほら
と
山
やま
の
巖間
いはま
とに
匿
かく
れ、
16
山
やま
と
巖
いは
とに
對
むか
ひて
言
い
ふ『
請󠄃
こ
ふ
我
われ
らの
上
うへ
に
墜
お
ちて、
御座
みくら
に
坐
ざ
したまふ
者
もの
の
御顏
みかほ
より、
羔羊
こひつじ
の
怒
いかり
より、
我
われ
らを
隱
かく
せ。
17
そは
御怒
みいかり
の
大
おほい
なる
日
ひ
旣
すで
に
來
きた
ればなり。
誰
たれ
か
立
た
つことを
得
え
ん』
第7章
1
この
後
のち
、われ
四人
よにん
の
御使
みつかひ
の
地
ち
の
四隅
よすみ
に
立
た
つを
見
み
たり、
彼
かれ
らは
地
ち
の
四方
しはう
の
風
かぜ
を
引止
ひきと
めて、
地
ち
にも
海
うみ
にも
諸種
もろもろ
の
樹
き
にも
風
かぜ
を
吹
ふ
かせざりき。
2
また
他
ほか
の
一人
ひとり
の
御使
みつかひ
の、いける
神
かみ
の
印
いん
を
持
も
ちて
日
ひ
の
出
い
づる
方
かた
より
登
のぼ
るを
見
み
たり、かれ
地
ち
と
海
うみ
とを
害󠄅
そこな
ふ
權
けん
を
與
あた
へられたる
四人
よにん
の
御使
みつかひ
にむかひ、
大聲
おほごゑ
に
呼
よば
はりて
言
い
ふ、
512㌻
3
『われらが
我
われ
らの
神
かみ
の
僕
しもべ
の
額
ひたひ
に
印
いん
するまでは、
地
ち
をも
海
うみ
をも
樹
き
をも
害󠄅
そこな
ふな』
4
われ
印
いん
せられたる
者
もの
の
數
かず
を
聽
き
きしに、イスラエルの
子
こ
等
ら
のもろもろの
族
やから
の
中
うち
にて、
印
いん
せられたるもの
合
あは
せて
十四萬
じふしまん
四千
しせん
あり。
5
ユダの
族
やから
の
中
うち
にて
一萬
いちまん
二千
にせん
印
いん
せられ、 ルベンの
族
やから
の
中
うち
にて
一萬
いちまん
二千
にせん
、 ガドの
族
やから
の
中
うち
にて
一萬
いちまん
二千
にせん
、
〘373㌻〙
6
アセルの
族
やから
の
中
うち
にて
一萬
いちまん
二千
にせん
、 ナフタリの
族
やから
の
中
うち
にて
一萬
いちまん
二千
にせん
、 マナセの
族
やから
の
中
うち
にて
一萬
いちまん
二千
にせん
、
7
シメオンの
族
やから
の
中
うち
にて
一萬
いちまん
二千
にせん
、 レビの
族
やから
の
中
うち
にて
一萬
いちまん
二千
にせん
、 イサカルの
族
やから
の
中
うち
にて
一萬
いちまん
二千
にせん
、
8
ゼブルンの
族
やから
の
中
うち
にて
一萬
いちまん
二千
にせん
、 ヨセフの
族
やから
の
中
うち
にて
一萬
いちまん
二千
にせん
、 ベニヤミンの
族
やから
の
中
うち
にて
一萬
いちまん
二千
にせん
印
いん
せられたり。
9
この
後
のち
われ
見
み
しに、
視
み
よ、もろもろの
國
くに
・
族
やから
・
民
たみ
・
國語
くにことば
の
中
うち
より、
誰
たれ
も
數
かぞ
へつくすこと
能
あた
はぬ
大
おほい
なる
群衆
ぐんじゅう
、しろき
衣
ころも
を
纒
まと
ひて
手
て
に
棕梠
しゅろ
の
葉
は
をもち、
御座
みくら
と
羔羊
こひつじ
との
前󠄃
まへ
に
立
た
ち、
10
大聲
おほごゑ
に
呼
よば
はりて
言
い
ふ『
救
すくひ
は
御座
みくら
に
坐
ざ
したまふ
我
われ
らの
神
かみ
と
羔羊
こひつじ
とにこそ
在
あ
れ』
11
御使
みつかひ
みな
御座
みくら
および
長老
ちゃうらう
たちと
四
よ
つの
活物
いきもの
との
周󠄃圍
まはり
に
立
た
ちて、
御座
みくら
の
前󠄃
まへ
に
平󠄃伏
ひれふ
し
神
かみ
を
拜
はい
して
言
い
ふ、
12
『アァメン、
讃美
さんび
・
榮光
えいくわう
・
知慧󠄄
ちゑ
・
感謝
かんしゃ
・
尊󠄅貴
たふとき
・
能力
ちから
・
勢威
いきほひ
、
世々
よゝ
限
かぎ
りなく
我
われ
らの
神
かみ
にあれ、アァメン』
13
長老
ちゃうらう
たちの
一人
ひとり
われに
向
むか
ひて
言
い
ふ『この
白
しろ
き
衣
ころも
を
著
き
たるは
如何
いか
なる
者
もの
にして
何處
いづこ
より
來
きた
りしか』
14
我
われ
いふ『わが
主
しゅ
よ、なんぢ
知
し
れり』かれ
言
い
ふ『かれらは
大
おほい
なる
患難
なやみ
より
出
い
できたり、
羔羊
こひつじ
の
血
ち
に
己
おの
が
衣
ころも
を
洗
あら
ひて
白
しろ
くしたる
者
もの
なり。
15
この
故
ゆゑ
に
神
かみ
の
御座
みくら
の
前󠄃
まへ
にありて、
晝
ひる
も
夜
よる
もその
聖󠄄所󠄃
せいじょ
にて
神
かみ
に
事
つか
ふ。
御座
みくら
に
坐
ざ
したまふ
者
もの
は
彼
かれ
らの
上
うへ
に
幕屋
まくや
を
張
は
り
給
たま
ふべし。
16
彼
かれ
らは
重
かさ
ねて
飢󠄄
う
ゑず、
重
かさ
ねて
渇
かわ
かず、
日
ひ
も
熱
ねつ
も
彼
かれ
らを
侵
をか
すことなし。
513㌻
17
御座
みくら
の
前󠄃
まへ
にいます
羔羊
こひつじ
は、
彼
かれ
らを
牧
ぼく
して
生命
いのち
の
水
みづ
の
泉
いづみ
にみちびき、
神
かみ
は
彼
かれ
らの
目
め
より
凡
すべ
ての
淚
なみだ
を
拭
ぬぐ
ひ
給
たま
ふべければなり』
第8章
1
第七
だいしち
の
封印
ふういん
を
解
と
き
給
たま
ひたれば、
凡
おほよ
そ
半󠄃時
はんとき
のあひだ
天
てん
靜
しづ
かなりき。
2
われ
神
かみ
の
前󠄃
まへ
に
立
た
てる
七人
しちにん
の
御使
みつかひ
を
見
み
たり、
彼
かれ
らは
七
なゝ
つのラッパを
與
あた
へられたり。
3
また
他
ほか
の
一人
ひとり
の
御使
みつかひ
、
金
きん
の
香爐
かうろ
を
持
も
ちきたりて
祭壇
さいだん
の
前󠄃
まへ
に
立
た
ち、
多
おほ
くの
香
かう
を
與
あた
へられたり。これは
凡
すべ
ての
聖󠄄徒
せいと
の
祈
いのり
に
加
くは
へて
御座
みくら
の
前󠄃
まへ
なる
金
きん
の
香壇
かうだん
の
上
うへ
に
献
さゝ
げんためなり。
4
而
しか
して
香
かう
の
烟
けむり
、
御使
みつかひ
の
手
て
より
聖󠄄徒
せいと
たちの
祈
いのり
とともに
神
かみ
の
前󠄃
まへ
に
上
のぼ
れり。
〘374㌻〙
5
御使
みつかひ
その
香爐
かうろ
をとり
之
これ
に
祭壇
さいだん
の
火
ひ
を
盛
も
りて
地
ち
に
投
な
げたれば、
數多
あまた
の
雷霆
いかづち
と
聲
こゑ
と
電光
いなづま
と、また
地震
ぢしん
おこれり。
6
ここに
七
なゝ
つのラッパをもてる
七人
しちにん
の
御使
みつかひ
これを
吹
ふ
く
備
そなへ
をなせり。
7
第一
だいいち
の
御使
みつかひ
ラッパを
吹
ふ
きしに、
血
ち
の
混
まじ
りたる
雹
へう
と
火
ひ
とありて、
地
ち
にふりくだり、
地
ち
の
三分󠄃
さんぶん
の
一
いち
燒
や
け
失
う
せ、
樹
き
の
三分󠄃
さんぶん
の
一
いち
燒
や
け
失
う
せ、もろもろの
靑
あを
草
くさ
燒
や
け
失
う
せたり。
8
第二
だいに
の
御使
みつかひ
ラッパを
吹
ふ
きしに、
火
ひ
にて
燃
も
ゆる
大
おほい
なる
山
やま
の
如
ごと
きもの
海
うみ
に
投
な
げ
入
い
れられ、
海
うみ
の
三分󠄃
さんぶん
の
一
いち
血
ち
に
變
へん
じ、
9
海
うみ
の
中
なか
の
造󠄃
つく
られたる
生命
いのち
あるものの
三分󠄃
さんぶん
の
一
いち
死
し
に、
船
ふね
の
三分󠄃
さんぶん
の
一
いち
滅
ほろ
びたり。
10
第三
だいさん
の
御使
みつかひ
ラッパを
吹
ふ
きしに、
燈火
ともしび
のごとく
燃
も
ゆる
大
おほい
なる
星
ほし
天
てん
より
隕
お
ちきたり、
川
かは
の
三分󠄃
さんぶん
の
一
いち
と
水
みづ
の
源泉
みなもと
との
上
うへ
におちたり。
514㌻
11
この
星
ほし
の
名
な
は
苦艾
にがよもぎ
といふ。
水
みづ
の
三分󠄃
さんぶん
の
一
いち
は
苦艾
にがよもぎ
となり、
水
みづ
の
苦
にが
くなりしに
因
よ
りて
多
おほ
くの
人
ひと
死
し
にたり。
12
第四
だいし
の
御使
みつかひ
ラッパを
吹
ふ
きしに、
日
ひ
の
三分󠄃
さんぶん
の
一
いち
と
月
つき
の
三分󠄃
さんぶん
の
一
いち
と
星
ほし
の
三分󠄃
さんぶん
の
一
いち
と
擊
う
たれて、その
三分󠄃
さんぶん
の
一
いち
は
暗󠄃
くら
くなり、
晝
ひる
も
三分󠄃
さんぶん
の
一
いち
は
光
ひかり
なく、
夜
よる
も
亦
また
おなじ。
13
また
見
み
しに、
一
ひと
つの
鷲
わし
の
中空󠄃
なかぞら
を
飛
と
び、
大
おほい
なる
聲
こゑ
して
言
い
ふを
聞
き
けり。
曰
いは
く『
地
ち
に
住󠄃
す
める
者
もの
どもは
禍害󠄅
わざはひ
なるかな、
禍害󠄅
わざはひ
なるかな、
禍害󠄅
わざはひ
なるかな、
尙
なほ
ほかに
三人
さんにん
の
御使
みつかひ
の
吹
ふ
かんとするラッパの
聲
こゑ
あるに
因
よ
りてなり』
第9章
1
第五
だいご
の
御使
みつかひ
ラッパを
吹
ふ
きしに、われ
一
ひと
つの
星
ほし
の
天
てん
より
地
ち
に
隕
お
ちたるを
見
み
たり。この
星
ほし
は
底
そこ
なき
坑
あな
の
鍵
かぎ
を
與
あた
へられたり。
2
斯
かく
て
底
そこ
なき
坑
あな
を
開
ひら
きたれば、
大
おほい
なる
爐
ろ
の
烟
けむり
のごとき
烟
けむり
、
坑
あな
より
立
た
ちのぼり、
日
ひ
も
空󠄃
そら
も
坑
あな
の
烟
けむり
にて
暗󠄃
くら
くなれり。
3
烟
けむり
の
中
うち
より
蝗
いなご
地上
ちじゃう
に
出
い
でて、
地
ち
の
蝎
さそり
のもてる
力
ちから
のごとき
力
ちから
を
與
あた
へられ、
4
地
ち
の
草
くさ
、すべての
靑
あを
きもの
又󠄂
また
すべての
樹
き
を
害󠄅
そこな
ふことなく、ただ
額
ひたひ
に
神
かみ
の
印
いん
なき
人
ひと
をのみ
害󠄅
そこな
ふことを
命
めい
ぜられたり。
5
然
さ
れど
彼
かれ
らを
殺
ころ
すことを
許
ゆる
されず、
五月
いつつき
のあひだ
苦
くる
しむることを
許
ゆる
さる、その
苦痛
くるしみ
は
蝎
さそり
に
刺
さ
されたる
苦痛
くるしみ
のごとし。
6
このとき
人々
ひとびと
、
死
し
を
求
もと
むとも
見出
みいだ
さず、
死
し
なんと
欲
ほっ
すとも
死
し
は
逃󠄄
に
げ
去
さ
るべし。
7
かの
蝗
いなご
の
形
かたち
は
戰爭
いくさ
の
爲
ため
に
具󠄄
そな
へたる
馬
うま
のごとく、
頭
かしら
には
金
きん
に
似
に
たる
冠冕
かんむり
の
如
ごと
きものあり、
顏
かほ
は
人
ひと
の
顏
かほ
のごとく、
8
之
これ
に
女
をんな
の
頭髮
かみのけ
のごとき
頭髮
かみのけ
あり、
齒
は
は
獅子
しゝ
の
齒
は
のごとし。
9
また
鐵
てつ
の
胸當
むねあて
のごとき
胸當
むねあて
あり、その
翼
つばさ
の
音󠄃
おと
は
軍車
いくさぐるま
の
轟
とゞろ
くごとく、
多
おほ
くの
馬
うま
の
戰鬪
たゝかひ
に
馳
は
せゆくが
如
ごと
し。
〘375㌻〙
10
また
蝎
さそり
のごとき
尾
を
ありて
之
これ
に
刺
はり
あり、この
尾
を
に
五月
いつつき
のあひだ
人
ひと
を
害󠄅
そこな
ふ
力
ちから
あり。
515㌻
11
この
蝗
いなご
に
王
わう
あり。
底
そこ
なき
所󠄃
ところ
の
使
つかひ
にして
名
な
をヘブル
語
ご
にてアバドンと
云
い
ひ、ギリシヤ
語
ご
にてアポルオンと
云
い
ふ。
12
第一
だいいち
の
禍害󠄅
わざはひ
すぎ
去
さ
れり、
視
み
よ、
此
こ
の
後
のち
なほ
二
ふた
つの
禍害󠄅
わざはひ
きたらん。
13
第六
だいろく
の
御使
みつかひ
ラッパを
吹
ふ
きしに、
神
かみ
の
前󠄃
まへ
なる
金
きん
の
香壇
かうだん
の
四
よ
つの
角
つの
より
聲
こゑ
ありて、
14
ラッパを
持
も
てる
第六
だいろく
の
御使
みつかひ
に『
大
おほい
なるユウフラテ
川
がは
の
邊
ほとり
に
繋
つな
がれをる
四人
よにん
の
御使
みつかひ
を
解
と
き
放
はな
て』と
言
い
ふを
聞
き
けり。
15
斯
かく
てその
時
とき
、その
日
ひ
、その
月
つき
、その
年
とし
に
至
いた
りて、
人
ひと
の
三分󠄃
さんぶん
の
一
いち
を
殺
ころ
さん
爲
ため
に
備
そな
へられたる
四人
よにん
の
御使
みつかひ
は、
解
と
き
放
はな
たれたり。
16
騎兵
きへい
の
數
かず
は
二億
におく
なり、
我
われ
その
數
かず
を
聞
き
けり。
17
われ
幻影
まぼろし
にてその
馬
うま
と
之
これ
に
乘
の
る
者
もの
とを
見
み
しに、
彼
かれ
らは
火
ひ
・
烟
けむり
・
硫黄
いわう
の
色
いろ
したる
胸當
むねあて
を
著
つ
く。
馬
うま
の
頭
かしら
は
獅子
しゝ
の
頭
かしら
のごとくにて、その
口
くち
よりは
火
ひ
と
烟
けむり
と
硫黄
いわう
と
出
い
づ。
18
この
三
み
つの
苦痛
くるしみ
、すなはち
其
そ
の
口
くち
より
出
い
づる
火
ひ
と
烟
けむり
と
硫黄
いわう
とに
因
よ
りて
人
ひと
の
三分󠄃
さんぶん
の
一
いち
殺
ころ
されたり。
19
馬
うま
の
力
ちから
はその
口
くち
とその
尾
を
とにあり、その
尾
を
は
蛇
へび
の
如
ごと
くにして
頭
かしら
あり、
之
これ
をもて
人
ひと
を
害󠄅
そこな
ふなり。
20
これらの
苦痛
くるしみ
にて
殺
ころ
されざりし
殘
のこり
の
人々
ひとびと
は、おのが
手
て
の
業
わざ
を
悔改
くいあらた
めずして、なほ
惡鬼
あくき
を
拜
はい
し、
見
み
ること、
聞
き
くこと、
步
あゆ
むこと
能
あた
はぬ、
金
きん
・
銀
ぎん
・
銅
どう
・
石
いし
・
木
き
の
偶像
ぐうざう
を
拜
はい
せり、
21
又󠄂
また
その
殺人
ひとごろし
・
咒術
まじわざ
・
淫行
いんかう
・
竊盜
ぬすみ
を
悔改
くいあらた
めざりき。
第10章
1
我
われ
また
一人
ひとり
の
强
つよ
き
御使
みつかひ
の
雲
くも
を
著
き
て
天
てん
より
降
くだ
るを
見
み
たり。その
頭
かしら
の
上
うへ
に
虹
にじ
あり、その
顏
かほ
は
日
ひ
の
如
ごと
く、その
足
あし
は
火
ひ
の
柱
はしら
のごとし。
2
その
手
て
には
展
ひら
きたる
小
ちひさ
き
卷
まき
物
もの
をもち、
右
みぎ
の
足
あし
を
海
うみ
の
上
うへ
におき、
左
ひだり
の
足
あし
を
地
ち
の
上
うへ
におき、
3
獅子
しし
の
吼
ほ
ゆる
如
ごと
く
大聲
おほごゑ
に
呼
よば
はれり、
呼
よば
はりたるとき
七
なゝ
つの
雷霆
いかづち
おのおの
聲
こゑ
を
出
いだ
せり。
4
七
なゝ
つの
雷霆
いかづち
の
語
かた
りし
時
とき
、われ
書
か
き
記
しる
さんとせしに、
天
てん
より
聲
こゑ
ありて『
七
なゝ
つの
雷霆
いかづち
の
語
かた
りしことは
封
ふう
じて
書
か
き
記
しる
すな』といふを
聞
き
けり。
516㌻
5
斯
かく
て
我
わ
が
見
み
しところの
海
うみ
と
地
ち
とに
跨
またが
り
立
た
てる
御使
みつかひ
は、
天
てん
にむかひて
右
みぎ
の
手
て
を
擧
あ
げ、
6
天
てん
および
其
そ
の
中
なか
に
在
あ
るもの、
地
ち
および
其
そ
の
中
なか
にあるもの、
海
うみ
および
其
そ
の
中
なか
にある
物
もの
を
造󠄃
つく
り
給
たま
ひし
世々
よよ
限
かぎ
りなく
生
い
きたまふ
者
もの
を
指
さ
し、
誓
ちか
ひて
言
い
ふ『この
後
のち
、
時
とき
は
延
の
ぶることなし。
7
第七
だいしち
の
御使
みつかひ
の
吹
ふ
かんとするラッパの
聲
こゑ
の
出
い
づる
時
とき
に
至
いた
りて、
神
かみ
の
僕
しもべ
なる
預言者
よげんしゃ
たちに
示
しめ
し
給
たま
ひし
如
ごと
く、その
奧義
おくぎ
は
成就
じゃうじゅ
せらるべし』
8
斯
かく
て
我
わ
が
前󠄃
さき
に
天
てん
より
聞
き
きし
聲
こゑ
のまた
我
われ
に
語
かた
りて『なんぢ
徃
ゆ
きて
海
うみ
と
地
ち
とに
跨
またが
り
立
た
てる
御使
みつかひ
の
手
て
にある
展
ひら
きたる
卷
まき
物
もの
を
取
と
れ』と
言
い
ふを
聞
き
けり。
〘376㌻〙
9
われ
御使
みつかひ
のもとに
徃
ゆ
きて
小
ちひさ
き
卷
まき
物
もの
を
我
われ
に
與
あた
へんことを
請󠄃
こ
ひたれば、
彼
かれ
いふ『これを
取
と
りて
食󠄃
くら
ひ
盡
つく
せ、さらば
汝
なんぢ
の
腹
はら
苦
にが
くならん、
然
さ
れど
其
そ
の
口
くち
には
蜜
みつ
のごとく
甘
あま
からん』
10
われ
御使
みつかひ
の
手
て
より
小
ちひさ
き
卷
まき
物
もの
をとりて
食󠄃
くら
ひ
盡
つく
したれば、
口
くち
には
蜜
みつ
のごとく
甘
あま
かりしが、
食󠄃
くら
ひし
後
のち
わが
腹
はら
は
苦
にが
くなれり。
11
また
或
ある
物
もの
われに
言
い
ふ『なんぢ
再
ふたゝ
び
多
おほ
くの
民
たみ
・
國
くに
・
國語
くにことば
・
王
わう
たちに
就
つ
きて
預言
よげん
すべし』
第11章
1
爰
こゝ
に、われ
杖
つゑ
のごとき
間竿
けんざを
を
與
あた
へられたり、
斯
かく
て
或
ある
者
もの
いふ『
立
た
ちて
神
かみ
の
聖󠄄所󠄃
せいじょ
と
香壇
かうだん
と
其處
そこ
に
拜
はい
する
者
もの
どもとを
度
はか
れ、
2
聖󠄄所󠄃
せいじょ
の
外
そと
の
庭
には
は
差措
さしお
きて
度
はか
るな、これは
異邦人
いはうじん
に
委
ゆだ
ねられたり、
彼
かれ
らは
四十
しじふ
二个月
にかげつ
のあひだ
聖󠄄
せい
なる
都
みやこ
を
蹂躪
ふみにじ
らん。
3
我
われ
わが
二人
ふたり
の
證人
しょうにん
に
權
けん
を
與
あた
へん、
彼
かれ
らは
荒布
あらぬの
を
著
き
て
千二百
せんにひゃく
六十日
ろくじふにち
のあひだ
預言
よげん
すべし。
4
彼
かれ
らは
地
ち
の
主
しゅ
の
御前󠄃
みまへ
に
立
た
てる
二
ふた
つのオリブの
樹
き
、
二
ふた
つの
燈臺
とうだい
なり。
5
もし
彼
かれ
らを
害󠄅
そこな
はんとする
者
もの
あらば、
火
ひ
その
口
くち
より
出
い
でてその
敵
てき
を
焚
や
き
盡
つく
さん。もし
彼
かれ
らを
害󠄅
そこな
はんとする
者
もの
あらば、
必
かなら
ず
斯
かく
のごとく
殺
ころ
さるべし。
517㌻
6
彼
かれ
らは
預言
よげん
するあひだ
雨
あめ
を
降
ふ
らせぬやうに
天
てん
を
閉
と
づる
權力
ちから
あり、また
水
みづ
を
血
ち
に
變
かは
らせ、
思
おも
ふままに
幾度
いくたび
にても
諸種
もろもろ
の
苦難
くるしみ
をもて
地
ち
を
擊
う
つ
權力
ちから
あり。
7
彼
かれ
等
ら
がその
證
あかし
を
終󠄃
を
へんとき
底
そこ
なき
所󠄃
ところ
より
上
のぼ
る
獸
けもの
ありて
之
これ
と
戰鬪
たゝかひ
をなし、
勝󠄃
か
ちて
之
これ
を
殺
ころ
さん。
8
その
屍體
しかばね
は
大
おほい
なる
都
みやこ
の
衢
ちまた
に
遺󠄃
のこ
らん。この
都
みやこ
を
譬
たと
へてソドムと
云
い
ひ、エジプトと
云
い
ふ、
即
すなは
ち
彼
かれ
らの
主
しゅ
もまた
十字架
じふじか
に
釘
つ
けられ
給
たま
ひし
所󠄃
ところ
なり。
9
もろもろの
民
たみ
・
族
やから
・
國語
くにことば
・
國
くに
のもの、
三日半󠄃
みっかはん
の
間
あひだ
その
屍體
しかばね
を
見
み
、かつ
其
そ
の
屍體
しかばね
を
墓
はか
に
葬
はうむ
ることを
許
ゆる
さざるべし。
10
地
ち
に
住󠄃
す
む
者
もの
どもは
彼
かれ
らに
就
つ
きて
喜
よろこ
び
樂
たの
しみ
互
たがひ
に
禮物
れいもつ
を
贈
おく
らん、
此
こ
の
二人
ふたり
の
預言者
よげんしゃ
は
地
ち
に
住󠄃
す
む
者
もの
を
苦
くる
しめたればなり』
11
三日半󠄃
みっかはん
ののち
生命
いのち
の
息
いき
、
神
かみ
より
出
い
でて
彼
かれ
らに
入
い
り、かれら
足
あし
にて
起󠄃
た
ちたれば、
之
これ
を
見
み
るもの
大
おほい
に
懼
おそ
れたり。
12
天
てん
より
大
おほい
なる
聲
こゑ
して『ここに
昇
のぼ
れ』と
言
い
ふを
彼
かれ
ら
聞
き
きたれば、
雲
くも
に
乘
の
りて
天
てん
に
昇
のぼ
れり、その
敵
てき
も
之
これ
を
見
み
たり、
13
このとき
大
おほい
なる
地震
ぢしん
ありて、
都
みやこ
の
十分󠄃
じふぶん
の
一
いち
は
倒
たふ
れ、
地震
ぢしん
のために
死
し
にしもの
七
しち
千
せん
人
にん
にして、
遺󠄃
のこ
れる
者
もの
は
懼
おそれ
をいだき、
天
てん
の
神
かみ
に
榮光
えいくわう
を
歸
き
したり。
14
第二
だいに
の
禍害󠄅
わざはひ
すぎ
去
さ
れり、
視
み
よ、
第三
だいさん
の
禍害󠄅
わざはひ
すみやかに
來
きた
るなり。
〘377㌻〙
15
第七
だいしち
の
御使
みつかひ
ラッパを
吹
ふ
きしに、
天
てん
に
數多
あまた
の
大
おほい
なる
聲
こゑ
ありて『この
世
よ
の
國
くに
は
我
われ
らの
主
しゅ
および
其
そ
のキリストの
國
くに
となれり。
彼
かれ
は
世々
よゝ
限
かぎ
りなく
王
わう
たらん』と
言
い
ふ。
16
かくて
神
かみ
の
前󠄃
まへ
にて
座位
くらゐ
に
坐
ざ
する
二十四人
にじふよにん
の
長老
ちゃうらう
ひれふし
神
かみ
を
拜
はい
して
言
い
ふ、
17
『
今
いま
いまし
昔
むかし
います
主
しゅ
たる
全󠄃能
ぜんのう
の
神
かみ
よ、なんぢの
大
おほい
なる
能力
ちから
を
執
と
りて
王
わう
と
成
な
り
給
たま
ひしことを
感謝
かんしゃ
す。
518㌻
18
諸國
しょこく
の
民
たみ
、
怒
いかり
を
懷
いだ
けり、なんぢの
怒
いかり
も
亦
また
いたれり、
死
し
にたる
者
もの
を
審
さば
き、なんぢの
僕
しもべ
なる
預言者
よげんしゃ
および
聖󠄄徒
せいと
、また
小
せう
なるも
大
だい
なるも
汝
なんぢ
の
名
な
を
畏
おそ
るる
者
もの
に
報賞
むくい
をあたへ、
地
ち
を
亡
ほろぼ
す
者
もの
を
亡
ほろぼ
したまふ
時
とき
いたれり』
19
斯
かく
て
天
てん
にある
神
かみ
の
聖󠄄所󠄃
せいじょ
ひらけ、
聖󠄄所󠄃
せいじょ
のうちに
契󠄅約
けいやく
の
櫃
ひつ
見
み
え、
數多
あまた
の
電光
いなづま
と
聲
こゑ
と
雷霆
いかづち
と、また
地震
ぢしん
と
大
おほい
なる
雹
へう
とありき。
第12章
1
また
天
てん
に
大
おほい
なる
徴
しるし
見
み
えたり。
日
ひ
を
著
き
たる
女
をんな
ありて
其
そ
の
足
あし
の
下
した
に
月
つき
あり、
其
そ
の
頭
かしら
に
十二
じふに
の
星
ほし
の
冠冕
かんむり
あり。
2
かれは
孕
みごも
りをりしが、
子
こ
を
產
う
まんとして
產
う
みの
苦痛
くるしみ
と
惱
なやみ
とのために
叫
さけ
べり、
3
また
天
てん
に
他
ほか
の
徴
しるし
見
み
えたり。
視
み
よ、
大
おほい
なる
赤
あか
き
龍󠄇
たつ
あり、これに
七
なゝ
つの
頭
かしら
と
十
とを
の
角
つの
とありて
頭
かしら
には
七
なゝ
つの
冠冕
かんむり
あり。
4
その
尾
を
は
天
てん
の
星
ほし
の
三分󠄃
さんぶん
の
一
いち
を
引
ひ
きて
之
これ
を
地
ち
に
落
おと
せり。
龍󠄇
たつ
は
子
こ
を
產
う
まんとする
女
をんな
の
前󠄃
まへ
に
立
た
ち、
產
う
むを
待
ま
ちて
其
そ
の
子
こ
を
食󠄃
く
ひ
盡
つく
さんと
構
かま
へたり。
5
女
をんな
は
男子
なんし
を
產
う
めり、この
子
こ
は
鐵
てつ
の
杖
つゑ
もて
諸種
もろもろ
の
國人
くにびと
を
治
をさ
めん。かれは
神
かみ
の
許
もと
に、その
御座
みくら
の
下
もと
に
擧
あ
げられたり。
6
女
をんな
は
荒野
あらの
に
逃󠄄
に
げゆけり。
彼處
かしこ
に
千二百
せんにひゃく
六十日
ろくじふにち
の
間
あひだ
かれが
養󠄄
やしな
はるる
爲
ため
に
神
かみ
の
備
そな
へ
給
たま
へる
所󠄃
ところ
あり。
7
斯
かく
て
天
てん
に
戰爭
いくさ
おこれり、ミカエル
及
およ
びその
使
つかひ
たち
龍󠄇
たつ
とたたかふ。
龍󠄇
たつ
もその
使
つかひ
たちも
之
これ
と
戰
たゝか
ひしが、
8
勝󠄃
か
つこと
能
あた
はず、
天
てん
には、はや
其
そ
の
居
を
る
所󠄃
ところ
なかりき。
9
かの
大
おほい
なる
龍󠄇
たつ
、すなはち
惡魔󠄃
あくま
と
呼
よ
ばれ、サタンと
呼
よ
ばれたる
全󠄃世界
ぜんせかい
をまどはす
古
ふる
き
蛇
へび
は
落
おと
され、
地
ち
に
落
おと
され、その
使
つかひ
たちも
共
とも
に
落
おと
されたり。
10
我
われ
また
天
てん
に
大
おほい
なる
聲
こゑ
ありて『われらの
神
かみ
の
救
すくひ
と
能力
ちから
と
國
くに
と
神
かみ
のキリストの
權威
けんゐ
とは、
今
いま
すでに
來
きた
れり。
我
われ
らの
兄弟
きゃうだい
を
訴
うった
へ、
夜晝
よるひる
われらの
神
かみ
の
前󠄃
まへ
に
訴
うった
ふるもの
落
おと
されたり。
519㌻
11
而
しか
して
兄弟
きゃうだい
たちは
羔羊
こひつじ
の
血
ち
と
己
おの
が
證
あかし
の
言
ことば
とによりて
勝󠄃
か
ち、
死
し
に
至
いた
るまで
己
おの
が
生命
いのち
を
惜
をし
まざりき。
〘378㌻〙
12
この
故
ゆゑ
に
天
てん
および
天
てん
に
住󠄃
す
める
者
もの
よ、よろこべ、
地
ち
と
海
うみ
とは
禍害󠄅
わざはひ
なるかな、
惡魔󠄃
あくま
おのが
時
とき
の
暫時
しばし
なるを
知
し
り、
大
おほい
なる
憤恚
いきどほり
を
懷
いだ
きて
汝
なんぢ
等
ら
のもとに
下
くだ
りたればなり』と
云
い
ふを
聞
き
けり。
13
斯
かく
て
龍󠄇
たつ
はおのが
地
ち
に
落
おと
されしを
見
み
て
男子
なんし
を
生
う
みし
女
をんな
を
責
せ
めたりしが、
14
女
をんな
は
荒野
あらの
なる
己
おの
が
處
ところ
に
飛
と
ぶために
大
おほい
なる
鷲
わし
の
兩
ふたつ
の
翼
つばさ
を
與
あた
へられたれば、
其處
そこ
にいたり、
一年
いちねん
、
二年
にねん
、また
半󠄃年
はんねん
のあひだ
蛇
へび
のまへを
離
はな
れて
養󠄄
やしな
はれたり。
15
蛇
へび
はその
口
くち
より
水
みづ
を
川
かは
のごとく、
女
をんな
の
背後
うしろ
に
吐
は
きて
之
これ
を
流
なが
さんとしたれど、
16
地
ち
は
女
をんな
を
助
たす
け、その
口
くち
を
開
ひら
きて
龍󠄇
たつ
の
口
くち
より
吐
は
きたる
川
かは
を
呑
の
み
盡
つく
せり。
17
龍󠄇
たつ
は
女
をんな
を
怒
いか
りてその
裔
すゑ
の
殘
のこ
れるもの、
即
すなは
ち
神
かみ
の
誡命
いましめ
を
守
まも
り、イエスの
證
あかし
を
有
も
てる
者
もの
に
戰鬪
たゝかひ
を
挑
いど
まんとて
出
い
でゆき、
18
海邊
うみべ
の
砂
すな
の
上
うへ
に
立
た
てり。
第13章
1
我
われ
また
一
ひと
つの
獸
けもの
の
海
うみ
より
上
のぼ
るを
見
み
たり。
之
これ
に
十
とを
の
角
つの
と
七
なゝ
つの
頭
かしら
とあり、その
角
つの
に
十
とを
の
冠冕
かんむり
あり、
頭
かしら
の
上
うへ
には
神
かみ
を
瀆
けが
す
名
な
あり。
2
わが
見
み
し
獸
けもの
は
豹
へう
に
似
に
て、その
足
あし
は
熊
くま
のごとく、その
口
くち
は
獅子
しゝ
の
口
くち
のごとし。
龍󠄇
たつ
は、これに
己
おの
が
能力
ちから
と
己
おの
が
座位
くらゐ
と
大
おほい
なる
權威
けんゐ
とを
與
あた
へたり。
3
我
われ
その
頭
かしら
の
一
ひと
つ
傷
きず
つけられて
死
し
ぬばかりなるを
見
み
しが、その
死
し
ぬべき
傷
きず
いやされたれば、
全󠄃地
ぜんち
の
者
もの
これを
怪
あや
しみて
獸
けもの
に
從
したが
へり。
4
また
龍󠄇
たつ
おのが
權威
けんゐ
を
獸
けもの
に
與
あた
へしによりて
彼
かれ
ら
龍󠄇
たつ
を
拜
はい
し、
且
かつ
その
獸
けもの
を
拜
はい
して
言
い
ふ『たれか
此
こ
の
獸
けもの
に
等
ひと
しき
者
もの
あらん、
誰
たれ
か
之
これ
と
戰
たゝか
ふことを
得
え
ん』
5
獸
けもの
また
大言
たいげん
と
瀆言
けがしごと
とを
語
かた
る
口
くち
を
與
あた
へられ、
四十
しじふ
二个月
にかげつ
のあひだ
働
はたら
く
權威
けんゐ
を
與
あた
へらる。
6
彼
かれ
は
口
くち
をひらきて
神
かみ
を
瀆
けが
し、
又󠄂
また
その
御名
みな
とその
幕屋
まくや
すなはち
天
てん
に
住󠄃
す
む
者
もの
どもとを
瀆
けが
し、
520㌻
7
また
聖󠄄徒
せいと
に
戰鬪
たゝかひ
を
挑
いど
みて、
之
これ
に
勝󠄃
か
つことを
許
ゆる
され、
且
かつ
もろもろの
族
やから
・
民
たみ
・
國語
くにことば
・
國
くに
を
掌
つかさ
どる
權威
けんゐ
を
與
あた
へらる。
8
凡
すべ
て
地
ち
に
住󠄃
す
む
者
もの
にて
其
そ
の
名
な
を、
屠
ほふ
られ
給
たま
ひし
羔羊
こひつじ
の
生命
いのち
の
書
ふみ
に、
世
よ
の
創
はじめ
より
記
しる
されざる
者
もの
は、これを
拜
はい
せん。
9
人
ひと
もし
耳
み
あらば
聽
き
くべし。
10
虜
とりこ
に《[*]》せらるべき
者
もの
は
虜
とりこ
にせられん、
劍
つるぎ
にて
殺
ころ
す
者
もの
は、おのれも
劍
つるぎ
にて
殺
ころ
さるべし、
聖󠄄徒
せいと
たちの
忍󠄄耐
にんたい
と
信仰
しんかう
とは
茲
こゝ
にあり。[*異本「人を虜にする者は己も虜にせられ」とあり。]
11
我
われ
また
他
ほか
の
獸
けもの
の
地
ち
より
上
のぼ
るを
見
み
たり。これに
羔羊
こひつじ
のごとき
角
つの
二
ふた
つありて
龍󠄇
たつ
のごとく
語
かた
り、
12
先
さき
の
獸
けもの
の
凡
すべ
ての
權威
けんゐ
を
彼
かれ
の
前󠄃
まへ
にて
行
おこな
ひ、
地
ち
と
地
ち
に
住󠄃
す
む
者
もの
とをして
死
し
ぬべき
傷
きず
の
醫
いや
されたる
先
さき
の
獸
けもの
を
拜
はい
せしむ。
13
また
大
おほい
なる
徴
しるし
をおこなひ、
人々
ひとびと
の
前󠄃
まへ
にて
火
ひ
を
天
てん
より
地
ち
に
降
ふ
らせ、
14
かの
獸
けもの
の
前󠄃
まへ
にて
行
おこな
ふことを
許
ゆる
されし
徴
しるし
をもて
地
ち
に
住󠄃
す
む
者
もの
どもを
惑
まどは
し、
劍
つるぎ
にうたれてなほ
生
い
ける
獸
けもの
の
像
ざう
を
造󠄃
つく
ることを
地
ち
に
住󠄃
す
む
者
もの
どもに
命
めい
じたり。
〘379㌻〙
15
而
しか
してその
獸
けもの
の
像
ざう
に
息
いき
を
與
あた
へて
物
もの
言
い
はしめ、
且
かつ
その
獸
けもの
の
像
ざう
を
拜
はい
せぬ
者
もの
をことごとく
殺
ころ
さしむる
事
こと
を
許
ゆる
され、
16
また
凡
すべ
ての
人
ひと
をして、
大小
だいせう
・
貧󠄃富
ひんぷ
・
自主
じしゅ
・
奴隷
どれい
の
別
わかち
なく、
或
あるひ
はその
右
みぎ
の
手
て
、あるいは
其
そ
の
額
ひたひ
に
徽章
しるし
を
受
う
けしむ。
17
この
徽章
しるし
を
有
も
たぬ
凡
すべ
ての
者
もの
に
賣買
うりかひ
することを
得
え
ざらしめたり。その
徽章
しるし
は
獸
けもの
の
名
な
、もしくは
其
そ
の
名
な
の
數字
すうじ
なり。
18
智慧󠄄
ちゑ
は
茲
こゝ
にあり、
心
こゝろ
ある
者
もの
は
獸
けもの
の
數字
すうじ
を
算
かぞ
へよ。
獸
けもの
の
數字
すうじ
は
人
ひと
の
數字
すうじ
にして、その
數字
すうじ
は
六
ろく
百
ひゃく
六十
ろくじふ
六
ろく
なり。
第14章
1
われ
見
み
しに、
視
み
よ、
羔羊
こひつじ
シオンの
山
やま
に
立
た
ちたまふ。
十四萬
じふしまん
四千
しせん
の
人
ひと
これと
偕
とも
に
居
を
り、その
額
ひたひ
には
羔羊
こひつじ
の
名
な
および
羔羊
こひつじ
の
父󠄃
ちち
の
名
な
、
記
しる
しあり。
521㌻
2
われ
天
てん
よりの
聲
こゑ
を
聞
き
けり、
多
おほ
くの
水
みづ
の
音󠄃
おと
のごとく、
大
おほい
なる
雷霆
いかづち
の
聲
こゑ
のごとし。わが
聞
き
きし
此
こ
の
聲
こゑ
は
彈琴者
ことひき
の
立琴
たてごと
を
彈
ひ
く
音󠄃
おと
のごとし。
3
かれら
新
あたら
しき
歌
うた
を
御座
みくら
の
前󠄃
まへ
および
四
よ
つの
活物
いきもの
と
長老
ちゃうらう
等
たち
との
前󠄃
まへ
にて
歌
うた
ふ。この
歌
うた
は
地
ち
より
贖
あがな
はれたる
十四萬
じふしまん
四千
しせん
人
にん
の
他
ほか
は
誰
たれ
も
學
まな
びうる
者
もの
なかりき。
4
彼
かれ
らは
女
をんな
に
汚
けが
されぬ
者
もの
なり、
潔󠄄
きよ
き
者
もの
なり、
何處
いづこ
にまれ
羔羊
こひつじ
の
徃
ゆ
き
給
たま
ふところに
隨
したが
ふ。
彼
かれ
らは
人
ひと
の
中
うち
より
贖
あがな
はれて
神
かみ
と
羔羊
こひつじ
とのために
初穗
はつほ
となれり。
5
その
口
くち
に
虛僞
いつはり
なし、
彼
かれ
らは
瑕
きず
なき
者
もの
なり。
6
我
われ
また
他
ほか
の
御使
みつかひ
の
中空󠄃
なかぞら
を
飛
と
ぶを
見
み
たり。かれは
地
ち
に
住󠄃
す
むもの、
即
すなは
ちもろもろの
國
くに
・
族
やから
・
國語
くにことば
・
民
たみ
に
宣傳
のべつた
へんとて
永遠󠄄
とこしへ
の
福音󠄃
ふくいん
を
携
たづさ
へ、
7
大聲
おほごゑ
にて
言
い
ふ『なんぢら
神
かみ
を
畏
おそ
れ、
神
かみ
に
榮光
えいくわう
を
歸
き
せよ。その
審判󠄄
さばき
のとき
旣
すで
に
至
いた
りたればなり。
汝
なんぢ
ら
天
てん
と
地
ち
と
海
うみ
と
水
みづ
の
源泉
みなもと
とを
造󠄃
つく
り
給
たま
ひし
者
もの
を
拜
はい
せよ』
8
ほかの
第二
だいに
の
御使
みつかひ
かれに
從
したが
ひて
言
い
ふ『
倒
たふ
れたり、
倒
たふ
れたり。
大
おほい
なるバビロン、
己
おの
が
淫行
いんかう
より
出
い
づる
憤恚
いきどほり
の
葡萄酒
ぶだうしゅ
をもろもろの
國人
くにびと
に
飮
の
ませし
者
もの
』
9
ほかの
第三
だいさん
の
御使
みつかひ
かれらに
隨
したが
ひ
大聲
おほごゑ
にて
言
い
ふ『もし
獸
けもの
とその
像
ざう
とを
拜
はい
し、
且
かつ
その
額
ひたひ
あるいは
手
て
に
徽章
しるし
を
受
う
くる
者
もの
あらば、
10
必
かなら
ず
神
かみ
の
怒
いかり
の
酒杯
さかづき
に
盛
も
りたる
混
まじ
りなき
憤恚
いきどほり
の
葡萄酒
ぶだうしゅ
を
飮
の
み、かつ
聖󠄄
せい
なる
御使
みつかひ
たち
及
およ
び
羔羊
こひつじ
の
前󠄃
まへ
にて
火
ひ
と
硫黄
いわう
とにて
苦
くる
しめらる
可
べ
し。
11
その
苦痛
くるしみ
の
烟
けむり
は
世々
よゝ
限
かぎ
りなく
立
た
ち
昇
のぼ
りて、
獸
けもの
とその
像
ざう
とを
拜
はい
する
者
もの
また
其
そ
の
名
な
の
徽章
しるし
を
受
う
けし
者
もの
は、
夜
よる
も
晝
ひる
も
休息
やすみ
を
得
え
ざらん。
12
神
かみ
の
誡命
いましめ
とイエスを
信
しん
ずる
信仰
しんかう
とを
守
まも
る
聖󠄄徒
せいと
の
忍󠄄耐
にんたい
は
茲
こゝ
にあり』
〘380㌻〙
522㌻
13
我
われ
また
天
てん
より
聲
こゑ
ありて『
書
か
き
記
しる
せ「
今
いま
よりのち
主
しゅ
にありて
死
し
ぬる
死人
しにん
は
幸福
さいはひ
なり」
御靈
みたま
も
言
い
ひたまふ「
然
しか
り、
彼
かれ
等
ら
はその
勞役
はたらき
を
止
や
めて
息
やす
まん。その
業
わざ
これに
隨
したが
ふなり」』と
言
い
ふを
聞
き
けり。
14
また
見
み
しに、
視
み
よ、
白
しろ
き
雲
くも
あり、その
雲
くも
の
上
うへ
に
人
ひと
の
子
こ
の
如
ごと
きもの
坐
ざ
して、
首
かうべ
には
金
きん
の
冠冕
かんむり
をいただき、
手
て
には
利
と
き
鎌
かま
を
持
も
ちたまふ。
15
又󠄂
また
ほかの
御使
みつかひ
、
聖󠄄所󠄃
せいじょ
より
出
い
で
雲
くも
のうへに
坐
ざ
したまふ
者
もの
にむかひ、
大聲
おほごゑ
に
呼
よば
はりて『なんぢの
鎌
かま
を
入
い
れて
刈
か
れ、
地
ち
の
穀物
こくもつ
は
全󠄃
まった
く
熟
じゅく
し、
旣
すで
に
刈
か
り
取
と
るべき
時
とき
至
いた
ればなり』と
言
い
ふ。
16
かくて
雲
くも
の
上
うへ
に
坐
ざ
したまふ
者
もの
、その
鎌
かま
を
地
ち
に
入
い
れたれば、
地
ち
の
穀物
こくもつ
は
刈
か
り
取
と
られたり。
17
又󠄂
また
ほかの
御使
みつかひ
、
天
てん
の
聖󠄄所󠄃
せいじょ
より
出
い
で
同
おな
じく
利
と
き
鎌
かま
を
持
も
てり。
18
又󠄂
また
ほかの
火
ひ
を
掌
つかさ
どる
御使
みつかひ
、
祭壇
さいだん
より
出
い
で、
利
と
き
鎌
かま
を
持
も
つ
者
もの
にむかひ
大聲
おほごゑ
に
呼
よば
はりて『なんぢの
利
と
き
鎌
かま
を
入
い
れて
地
ち
の
葡萄
ぶだう
の
樹
き
の
房
ふさ
を
刈
か
り
收
をさ
めよ、
葡萄
ぶだう
は
旣
すで
に
熟
じゅく
したり』と
言
い
ふ。
19
御使
みつかひ
その
鎌
かま
を
地
ち
に
入
い
れて
地
ち
の
葡萄
ぶだう
を
刈
か
りをさめ、
神
かみ
の
憤恚
いきどほり
の
大
おほい
なる
酒槽
さかぶね
に
投
な
げ
入
い
れたり。
20
かくて
都
みやこ
の
外
そと
にて
酒槽
さかぶね
を
踐
ふ
みしに、
血
ち
酒槽
さかぶね
より
流
なが
れ
出
い
でて
馬
うま
の
轡
くつわ
に
達󠄃
とゞ
くほどになり、
一
いち
千
せん
六
ろく
百
ひゃく
町
ちゃう
に
廣
ひろ
がれり。
第15章
1
我
われ
また
天
てん
に
他
ほか
の
大
おほい
なる
怪
あや
しむべき
徴
しるし
を
見
み
たり。
即
すなは
ち
七人
しちにん
の
御使
みつかひ
ありて
最後
いやはて
の
七
なゝ
つの
苦難
くるしみ
を
持
も
てり、
神
かみ
の
憤恚
いきどほり
は
之
これ
にて
全󠄃
まった
うせらるるなり。
2
我
われ
また
火
ひ
の
混
まじ
りたる
玻璃
はり
の
海
うみ
を
見
み
しに、
獸
けもの
とその
像
ざう
とその
名
な
の
數字
すうじ
とに
勝󠄃
か
ちたる
者
もの
ども、
神
かみ
の
立琴
たてごと
を
持
も
ちて
玻璃
はり
の
海
うみ
の
邊
ほとり
に
立
た
てり。
523㌻
3
彼
かれ
ら
神
かみ
の
僕
しもべ
モーセの
歌
うた
と
羔羊
こひつじ
の
歌
うた
とを
歌
うた
ひて
言
い
ふ『
主
しゅ
なる
全󠄃能
ぜんのう
の
神
かみ
よ、なんぢの
御業
みわざ
は
大
おほい
なるかな、
妙
たへ
なるかな、
萬國
ばんこく
の
王
わう
よ、なんぢの
道󠄃
みち
は
義
ぎ
なるかな、
眞
まこと
なるかな。
4
主
しゅ
よ、たれか
汝
なんぢ
を
畏
おそ
れざる、
誰
たれ
か
御名
みな
を
尊󠄅
たふと
ばざる、
汝
なんぢ
のみ
聖󠄄
せい
なり、
諸種
もろもろ
の
國人
くにびと
きたりて
御前󠄃
みまへ
に
拜
はい
せん。なんぢの
審判󠄄
さばき
は
旣
すで
に
現
あらは
れたればなり』
5
この
後
のち
われ
見
み
しに、
天
てん
にある
證
あかし
の
幕屋
まくや
の
聖󠄄所󠄃
せいじょ
ひらけて、
6
かの
七
なゝ
つの
苦難
くるしみ
を
持
も
てる
七人
しちにん
の
御使
みつかひ
、きよき
輝
かゞや
ける
亞麻󠄃
あま
布
ぬの
を
著
き
、
金
きん
の
帶
おび
を
胸
むね
に
束
つか
ねて
聖󠄄所󠄃
せいじょ
より
出
い
づ。
7
四
よ
つの
活物
いきもの
の
一
ひと
つ、その
七人
しちにん
の
御使
みつかひ
に
世々
よゝ
限
かぎ
りなく
生
い
きたまふ
神
かみ
の
憤恚
いきどほり
の
滿
み
ちたる
七
なゝ
つの
金
きん
の
鉢
はち
を
與
あた
へしかば、
8
聖󠄄所󠄃
せいじょ
は
神
かみ
の
榮光
えいくわう
とその
權力
ちから
とより
出
い
づる
烟
けむり
にて
滿
み
ち、
七人
しちにん
の
御使
みつかひ
の
七
なゝ
つの
苦難
くるしみ
の
終󠄃
をは
るまでは
誰
たれ
も
聖󠄄所󠄃
せいじょ
に
入
い
ること
能
あた
はざりき。
〘381㌻〙
第16章
1
我
われ
また
聖󠄄所󠄃
せいじょ
より
大
おほい
なる
聲
こゑ
ありて
七人
しちにん
の
御使
みつかひ
に『
徃
ゆ
きて
神
かみ
の
憤恚
いきどほり
の
鉢
はち
を
地
ち
の
上
うへ
に
傾
かたむ
けよ』と
言
い
ふを
聞
き
けり。
2
斯
かく
て
第一
だいいち
の
者
もの
ゆきて
其
そ
の
鉢
はち
を
地
ち
の
上
うへ
に
傾
かたむ
けたれば、
獸
けもの
の
徽章
しるし
を
有
も
てる
人々
ひとびと
とその
像
ざう
を
拜
はい
する
人々
ひとびと
との
身
み
に
惡
あ
しき
苦
くる
しき
腫物
しゅもつ
生
しゃう
じたり。
3
第二
だいに
の
者
もの
その
鉢
はち
を
海
うみ
の
上
うへ
に
傾
かたむ
けたれば、
海
うみ
は
死人
しにん
の
血
ち
の
如
ごと
くなりて
海
うみ
にある
生物
いきもの
ことごとく
死
し
にたり。
4
第三
だいさん
の
者
もの
その
鉢
はち
をもろもろの
河
かは
と、もろもろの
水
みづ
の
源泉
みなもと
との
上
うへ
に
傾
かたむ
けたれば、みな
血
ち
となれり。
524㌻
5
われ
水
みづ
を
掌
つかさ
どる
御使
みつかひ
の『いま
在
いま
し
昔
むかし
います
聖󠄄
せい
なる
者
もの
よ、なんぢの
斯
か
く
定
さだ
め
給
たま
ひしは
正
たゞ
しき
事
こと
なり。
6
彼
かれ
らは
聖󠄄徒
せいと
と
預言者
よげんしゃ
との
血
ち
を
流
なが
したれば、
之
これ
に
血
ち
を
飮
の
ませ
給
たま
ひしは
相應
ふさは
しきなり』と
云
い
へるを
聞
き
けり。
7
我
われ
また
祭壇
さいだん
の
物
もの
言
い
ふを
聞
き
けり『
然
しか
り、
主
しゅ
なる
全󠄃能
ぜんのう
の
神
かみ
よ、なんぢの
審判󠄄
さばき
は
眞
まこと
なるかな、
義
ぎ
なるかな』と。
8
第四
だいし
の
者
もの
その
鉢
はち
を
太陽
たいやう
の
上
うへ
に
傾
かたむ
けたれば、
太陽
たいやう
は
火
ひ
をもて
人
ひと
を
燒
や
くことを
許
ゆる
さる。
9
斯
かく
て
人々
ひとびと
烈
はげ
しき
熱
ねつ
に
燒
や
かれて、
此
これ
等
ら
の
苦難
くるしみ
を
掌
つかさ
どる
權威
けんゐ
を
有
も
たちまふ
神
かみ
の
名
な
を
瀆
けが
し、かつ
悔改
くいあらた
めずして
神
かみ
に
榮光
えいくわう
を
歸
き
せざりき。
10
第五
だいご
の
者
もの
その
鉢
はち
を
獸
けもの
の
座位
くらゐ
の
上
うへ
に
傾
かたむ
けたれば、
獸
けもの
の
國
くに
暗󠄃
くら
くなり、その
國人
くにびと
痛
いたみ
によりて
己
おのれ
の
舌
した
を
囓
か
み、
11
その
痛
いたみ
と
腫物
しゅもつ
とによりて
天
てん
の
神
かみ
を
瀆
けが
し、かつ
己
おの
が
行爲
おこなひ
を
悔改
くいあらた
めざりき。
12
第六
だいろく
の
者
もの
その
鉢
はち
を
大
おほい
なる
河
かは
ユウフラテの
上
うへ
に
傾
かたむ
けたれば、
河
かは
の
水
みづ
涸
か
れたり。これ
日
ひ
の
出
い
づる
方
かた
より
來
きた
る
王
わう
たちの
途󠄃
みち
を
備
そな
へん
爲
ため
なり。
13
我
われ
また
龍󠄇
たつ
の
口
くち
より、
獸
けもの
の
口
くち
より、
僞
にせ
預言者
よげんしゃ
の
口
くち
より、
蛙
かはづ
のごとき
三
み
つの
穢
けが
れし
靈
れい
の
出
い
づるを
見
み
たり。
14
これは
徴
しるし
をおこなふ
惡鬼
あくき
の
靈
れい
にして、
全󠄃能
ぜんのう
の
神
かみ
の
大
おほい
なる
日
ひ
の
戰鬪
たゝかひ
のために
全󠄃世界
ぜんせかい
の
王
わう
等
たち
を
集
あつ
めんとて、その
許
もと
に
出
い
でゆくなり。
15
(
視
み
よ、われ
盜人
ぬすびと
のごとく
來
きた
らん、
裸
はだか
にて
步
あゆ
み
羞所󠄃
はぢどころ
を
見
み
らるることな
莫
な
からん
爲
ため
に、
目
め
を
覺
さま
してその
衣
ころも
を
守
まも
る
者
もの
は
幸福
さいはひ
なり)
16
かの
三
み
つの
靈
れい
、
王
わう
たちをヘブル
語
ご
にてハルマゲドンと
稱
とな
ふる
處
ところ
に
集
あつ
めたり。
17
第七
だいしち
の
者
もの
その
鉢
はち
を
空󠄃中
くうちゅう
に
傾
かたむ
けたれば、
聖󠄄所󠄃
せいじょ
より、
御座
みくら
より
大
おほい
なる
聲
こゑ
いでて『
事
こと
すでに
成
な
れり』と
言
い
ふ。
525㌻
18
斯
かく
て
數多
あまた
の
電光
いなづま
と
聲
こゑ
と
雷霆
いかづち
とあり、また
大
おほい
なる
地震
ぢしん
おこれり、
人
ひと
の
地
ち
の
上
うへ
に
在
あ
りし
以來
このかた
かかる
大
おほい
なる
地震
ぢしん
なかりき。
〘382㌻〙
19
大
おほい
なる
都
みやこ
は
三
み
つに
裂
さ
かれ、
諸國
しょこく
の
町々
まちまち
は
倒
たふ
れ、
大
おほい
なるバビロンは
神
かみ
の
前󠄃
まへ
におもひ
出
いだ
されて、
劇
はげ
しき
御怒
みいかり
の
葡萄酒
ぶだうしゅ
を
盛
も
りたる
酒杯
さかづき
を
與
あた
へられたり。
20
凡
すべ
ての
島
しま
は
逃󠄄
に
げさり、
山
やま
は
見
み
えずなれり。
21
また
天
てん
より
百
ひゃく
斤
きん
ほどの
大
おほい
なる
雹
へう
、
人々
ひとびと
の
上
うへ
に
降
ふ
りしかば、
人々
ひとびと
雹
へう
の
苦難
くるしみ
によりて
神
かみ
を
瀆
けが
せり。
是
これ
その
苦難
くるしみ
甚
はなは
だしく
大
おほい
なればなり。
第17章
1
七
なゝ
つの
鉢
はち
を
持
も
てる
七人
しちにん
の
御使
みつかひ
の
一人
ひとり
きたり
我
われ
に
語
かた
りて
言
い
ふ『
來
きた
れ、われ
多
おほ
くの
水
みづ
の
上
うへ
に
坐
ざ
する
大淫婦󠄃
だいいんぷ
の
審判󠄄
さばき
を
汝
なんぢ
に
示
しめ
さん。
2
地
ち
の
王
わう
たちは
之
これ
と
淫
いん
をおこなひ、
地
ち
に
住󠄃
す
む
者
もの
らは
其
そ
の
淫行
いんかう
の
葡萄酒
ぶだうしゅ
に
醉
ゑ
ひたり』
3
斯
かく
て、われ
御靈
みたま
に
感
かん
じ、
御使
みつかひ
に
携
たづさ
へられて
荒野
あらの
にゆき、
緋色
ひいろ
の
獸
けもの
に
乘
の
れる
女
をんな
を
見
み
たり、この
獸
けもの
の
體
からだ
は
神
かみ
を
瀆
けが
す
名
な
にて
覆
おほ
はれ、また
七
なゝ
つの
頭
かしら
と
十
とを
の
角
つの
とあり。
4
女
をんな
は
紫色
むらさき
と
緋
ひ
とを
著
き
、
金
きん
・
寶石
はうせき
・
眞珠
しんじゅ
にて
身
み
を
飾󠄃
かざ
り、
手
て
には
憎
にく
むべきものと
己
おの
が
淫行
いんかう
の
汚
けがれ
とにて
滿
み
ちたる
金
きん
の
酒杯
さかづき
を
持
も
ち、
5
額
ひたひ
には
記
しる
されたる
名
な
あり。
曰
いは
く『
奧義
おくぎ
大
おほい
なるバビロン、
地
ち
の
淫婦󠄃
いんぷ
らと
憎
にく
むべき
者
もの
との
母
はは
』
6
我
われ
この
女
をんな
を
見
み
るに、
聖󠄄徒
せいと
の
血
ち
とイエスの
證人
しょうにん
の
血
ち
とに
醉
ゑ
ひたり。
我
われ
これを
見
み
て
大
おほい
に
怪
あや
しみたれば、
7
御使
みつかひ
われに
言
い
ふ『なにゆゑ
怪
あや
しむか、
我
われ
この
女
をんな
と
之
これ
を
乘
の
せたる
七
なゝ
つの
頭
かしら
、
十
とを
の
角
つの
ある
獸
けもの
との
奧義
おくぎ
を
汝
なんぢ
に
吿
つ
げん。
8
なんぢの
見
み
し
獸
けもの
は
前󠄃
さき
に
有
あ
りしも
今
いま
あらず、
後
のち
に
底
そこ
なき
所󠄃
ところ
より
上
のぼ
りて
滅亡
ほろび
に
徃
ゆ
かん、
地
ち
に
住󠄃
す
む
者
もの
にて
世
よ
の
創
はじめ
より
其
そ
の
名
な
を
生命
いのち
の
書
ふみ
に
記
しる
されざる
者
もの
は、
獸
けもの
の
前󠄃
さき
にありて
今
いま
あらず、
後
のち
に
來
きた
るを
見
み
て
怪
あや
しまん。
9
智慧󠄄
ちゑ
の
心
こゝろ
は
茲
こゝ
にあり。
七
なゝ
つの
頭
かしら
は
女
をんな
の
坐
ざ
する
七
なゝ
つの
山
やま
なり、また
七人
しちにん
の
王
わう
なり。
10
五
ご
人
にん
は
旣
すで
に
倒
たふ
れて
一人
ひとり
は
今
いま
あり、
他
ほか
の
一人
ひとり
は
未
いま
だ
來
きた
らず、
來
きた
らば
暫時
しばし
のほど
止
とど
まるべきなり。
526㌻
11
前󠄃
さき
にありて
今
いま
あらぬ
獸
けもの
は
第八
だいはち
なり、
前󠄃
まへ
の
七人
しちにん
より
出
い
でたる
者
もの
にして
滅亡
ほろび
に
徃
ゆ
くなり。
12
汝
なんぢ
の
見
み
し
十
とを
の
角
つの
は
十
じふ
人
にん
の
王
わう
にして
未
いま
だ
國
くに
を
受
う
けざれども、
一時
ひととき
のあひだ
獸
けもの
と
共
とも
に
王
わう
のごとき
權威
けんゐ
を
受
う
くべし。
13
彼
かれ
らは
心
こゝろ
を
一
ひと
つにして
己
おの
が
能力
ちから
と
權威
けんゐ
とを
獸
けもの
にあたふ。
14
彼
かれ
らは
羔羊
こひつじ
と
戰
たゝか
はん。
而
しか
して
羔羊
こひつじ
かれらに
勝󠄃
か
ち
給
たま
ふべし、
彼
かれ
は
主
しゅ
の
主
しゅ
、
王
わう
の
王
わう
なればなり。これと
偕
とも
なる
召
め
されたるもの、
選󠄄
えら
ばれたるもの、
忠實
ちゅうじつ
なる
者
もの
も
勝󠄃
かち
を
得
え
べし』
15
御使
みつかひ
また
我
われ
に
言
い
ふ『なんぢの
見
み
し
水
みづ
、すなはち
淫婦󠄃
いんぷ
の
坐
ざ
する
處
ところ
は、もろもろの
民
たみ
・
群衆
ぐんじゅう
・
國
くに
・
國語
くにことば
なり。
16
なんぢの
見
み
し
十
とを
の
角
つの
と
獸
けもの
とは、かの
淫婦󠄃
いんぷ
を
憎
にく
み、
之
これ
をして
荒凉
あれすさ
ばしめ、
裸
はだか
ならしめ、
且
かつ
その
肉
にく
を
喰
くら
ひ、
火
ひ
をもて
之
これ
を
燒
や
き
盡
つく
さん。
〘383㌻〙
17
神
かみ
は
彼
かれ
らに
御旨
みむね
を
行
おこな
ふことと、
心
こゝろ
を
一
ひと
つにすることと、
神
かみ
の
御言
みことば
の
成就
じゃうじゅ
するまで
國
くに
を
獸
けもの
に
與
あた
ふることとを
思
おも
はしめ
給
たま
ひたればなり。
18
なんぢの
見
み
し
女
をんな
は
地
ち
の
王
わう
たちを
宰
つかさ
どる
大
おほい
なる
都
みやこ
なり』
第18章
1
この
後
のち
また
他
ほか
の
一人
ひとり
の
御使
みつかひ
の
大
おほい
なる
權威
けんゐ
を
有
も
ちて
天
てん
より
降
くだ
るを
見
み
しに、
地
ち
はその
榮光
えいくわう
によりて
照
てら
されたり。
2
かれ
强
つよ
き
聲
こゑ
にて
呼
よば
はりて
言
い
ふ『
大
おほい
なるバビロンは
倒
たふ
れたり、
倒
たふ
れたり、かつ
惡魔󠄃
あくま
の
住󠄃家
すみか
、もろもろの
穢
けが
れたる
靈
れい
の
檻
をり
、もろもろの
穢
けが
れたる
憎
にく
むべき
鳥
とり
の
檻
をり
となれり。
3
もろもろの
國人
くにびと
はその
淫行
いんかう
の
憤恚
いきどほり
の
葡萄酒
ぶだうしゅ
を
飮
の
み、
地
ち
の
王
わう
たちは
彼
かれ
と
淫
いん
をおこなひ、
地
ち
の
商人
あきうど
らは
彼
かれ
の
奢
おごり
の
勢力
ちから
によりて
富
と
みたればなり』
4
また
天
てん
より
他
ほか
の
聲
こゑ
あるを
聞
き
けり。
曰
いは
く『わが
民
たみ
よ、かれの
罪
つみ
に
干
あづか
らず、
彼
かれ
の
苦難
くるしみ
を
共
とも
に
受
う
けざらんため、その
中
うち
を
出
い
でよ。
527㌻
5
かれの
罪
つみ
は
積
つも
りて
天
てん
にいたり、
神
かみ
その
不義
ふぎ
を
憶
おぼ
え
給
たま
ひたればなり。
6
彼
かれ
が
爲
な
しし
如
ごと
く
彼
かれ
に
爲
な
し、その
行爲
おこなひ
に
應
おう
じ、
倍
ばい
して
之
これ
を
報
むく
い、かれが
酌
く
み
與
あた
へし
酒杯
さかづき
に
倍
ばい
して
之
これ
に
酌
くみ
與
あた
へよ。
7
かれが
自
みづか
ら
尊󠄅
たふと
び、みづから
奢
おご
りしと
同
おな
じほどの
苦難
くるしみ
と
悲歎
かなしみ
とを
之
これ
に
與
あた
へよ。
彼
かれ
は
心
こゝろ
のうちに「われは
女王
にょわう
の
位
くらゐ
に
坐
ざ
する
者
もの
にして
寡婦󠄃
やもめ
にあらず、
決
けっ
して
悲歎
かなしみ
を
見
み
ざるべし」と
言
い
ふ。
8
この
故
ゆゑ
に、さまざまの
苦難
くるしみ
一日
いちにち
のうちに
彼
かれ
の
身
み
にきたらん、
即
すなは
ち
死
し
と
悲歎
かなしみ
と
饑饉
ききん
となり。
彼
かれ
また
火
ひ
にて
燒
や
き
盡
つく
されん、
彼
かれ
を
審
さば
きたまふ
主
しゅ
なる
神
かみ
は
强
つよ
ければなり。
9
彼
かれ
と
淫
いん
をおこなひ、
彼
かれ
とともに
奢
おご
りたる
地
ち
の
王
わう
たちは、
其
そ
の
燒
や
かるる
烟
けむり
を
見
み
て
泣
な
きかつ
歎
なげ
き、
10
その
苦難
くるしみ
を
懼
おそ
れ、
遙
はるか
に
立
た
ちて「
禍害󠄅
わざはひ
なるかな、
禍害󠄅
わざはひ
なるかな、
大
おほい
なる
都
みやこ
、
堅固
けんご
なる
都
みやこ
バビロンよ、
汝
なんぢ
の
審判󠄄
さばき
は
時
とき
の
間
ま
に
來
きた
れり」と
言
い
はん。
11
地
ち
の
商人
あきうど
かれが
爲
ため
に
泣
な
き
悲
かな
しまん。
今
いま
より
後
のち
その
商品
しゃうひん
を
買
か
ふ
者
もの
なければなり。
12
その
商品
しゃうひん
は
金
きん
・
銀
ぎん
・
寶石
はうせき
・
眞珠
しんじゅ
・
細布
ほそぬの
・
紫色
むらさき
・
絹
きぬ
・
緋色
ひいろ
および
各樣
さまざま
の
香木
かうぼく
、また
象牙
ざうげ
のさまざまの
器
うつは
、
價
あたひ
貴
たか
き
木
き
、
眞鍮
しんちゅう
・
鐵
てつ
・
蝋石
らうせき
などの
各樣
さまざま
の
器
うつは
、
13
また
肉桂
にくけい
・
香料
かうれう
・
香
かう
・
香
にほひ
油
あぶら
・
乳󠄃香
にうかう
・
葡萄酒
ぶだうしゅ
・オリブ
油
ゆ
・
麥粉
むぎこ
・
麥
むぎ
・
牛
うし
・
羊
ひつじ
・
馬
うま
・
車
くるま
・
奴隷
どれい
および
人
ひと
の
靈魂
たましひ
なり。
14
なんぢの
靈魂
たましひ
の
嗜
たし
みたる
果物
くだもの
は
汝
なんぢ
を
去
さ
り、すべての
美味
びみ
、
華美
はなやか
なる
物
もの
は
亡
ほろ
びて
汝
なんぢ
を
離
はな
れん、
今
いま
より
後
のち
これを
見
み
ること
無
な
かるべし。
15
これらの
物
もの
を
商
あきな
ひ、バビロンに
由
よ
りて
富
とみ
を
得
え
たる
商人
あきうど
らは
其
そ
の
苦難
くるしみ
を
懼
おそ
れて
遙
はるか
に
立
た
ち、
泣
な
き
悲
かな
しみて
言
い
はん、
〘384㌻〙
16
「
禍害󠄅
わざはひ
なるかな、
禍害󠄅
わざはひ
なるかな、
細布
ほそぬの
と
紫色
むらさき
と
緋
ひ
とを
著
き
、
金
きん
・
寶石
はうせき
・
眞珠
しんじゅ
をもて
身
み
を
飾󠄃
かざ
りたる
大
おほい
なる
都
みやこ
、
17
斯
か
くばかり
大
おほい
なる
富
とみ
の
時
とき
の
間
ま
に
荒凉
あれすさ
ばんとは」
而
しか
して
凡
すべ
ての
船
ふな
長
をさ
、すべて
海
うみ
をわたる
人々
ひとびと
、
舟子
かこ
および
海
うみ
によりて
生活
すぎはひ
を
爲
な
すもの
遙
はるか
かに
立
た
ち、
528㌻
18
バビロンの
燒
や
かるる
烟
けむり
を
見
み
て
叫
さけ
び「いづれの
都
みやこ
か、この
大
おほい
なる
都
みやこ
に
比
くら
ぶべき」と
言
い
はん。
19
彼
かれ
等
ら
また
塵
ちり
をおのが
首
かうべ
に
被
かぶ
りて
泣
な
き
悲
かな
しみ
叫
さけ
びて「
禍害󠄅
わざはひ
なるかな、
禍害󠄅
わざはひ
なるかな、
此
こ
の
大
おほい
なる
都
みやこ
、その
奢
おごり
によりて
海
うみ
に
船
ふね
を
有
も
てる
人々
ひとびと
の
富
とみ
を
得
え
たる
都
みやこ
、かく
時
とき
の
間
ま
に
荒凉
あれすさ
ばんとは」と
言
い
はん。
20
天
てん
よ、
聖󠄄徒
せいと
・
使徒
しと
・
預言者
よげんしゃ
よ、この
都
みやこ
につきて
喜
よろこ
べ、
神
かみ
なんぢらの
爲
ため
に
之
これ
を
審
さば
き
給
たま
ひたればなり』
21
爰
こゝ
に
一人
ひとり
の
强
つよ
き
御使
みつかひ
、
大
おほい
なる
碾臼
ひきうす
のごとき
石
いし
を
擡
もた
げ
海
うみ
に
投
な
げて
言
い
ふ『おほいなる
都
みやこ
バビロンは
斯
かく
のごとく
烈
はげ
しく
擊
う
ち
倒
たふ
されて、
今
いま
より
後
のち
、
見
み
えざるべし。
22
今
いま
よりのち
立琴
たてごと
を
彈
ひ
くもの、
樂
がく
を
奏
そう
するもの、
笛
ふえ
を
吹
ふ
く
者
もの
、ラッパを
鳴
なら
す
者
もの
の
聲
こゑ
なんぢの
中
うち
に
聞
きこ
えず、
今
いま
より
後
のち
さまざまの
細工
さいく
をなす
細工人
さいくにん
なんぢの
中
うち
に
見
み
えず、
碾臼
ひきうす
の
音󠄃
おと
なんぢの
中
うち
に
聞
きこ
えず、
23
今
いま
よりのち
燈火
ともしび
の
光
ひかり
なんぢの
中
うち
に
輝
かゞや
かず、
今
いま
よりのち
新郎
はなむこ
・
新婦󠄃
はなよめ
の
聲
こゑ
なんぢの
中
うち
に
聞
きこ
えざるべし。そは
汝
なんぢ
の
商人
あきうど
は
地
ち
の
大臣
だいじん
となり、
諸種
もろもろ
の
國人
くにびと
は、なんぢの
咒術
まじわざ
に
惑
まどは
され、
24
また
預言者
よげんしゃ
・
聖󠄄徒
せいと
および
凡
すべ
て
地
ち
の
上
うへ
に
殺
ころ
されし
者
もの
の
血
ち
は、この
都
みやこ
の
中
うち
に
見出
みいだ
されたればなり』
第19章
1
この
後
のち
われ
天
てん
に
大
おほい
なる
群衆
ぐんじゅう
の
大聲
おほごゑ
のごとき
者
もの
ありて、
斯
か
く
言
い
ふを
聞
き
けり。
曰
いは
く 『ハレルヤ、
救
すくひ
と
榮光
えいくわう
と
權力
ちから
とは、
我
われ
らの
神
かみ
のものなり。
2
その
御審
みさばき
は
眞
まこと
にして
義
ぎ
なるなり、
己
おの
が
淫行
いんかう
をもて
地
ち
を
汚
けが
したる
大淫婦󠄃
だいいんぷ
を
審
さば
き、
神
かみ
の
僕
しもべ
らの
血
ち
の
復讐
ふくしう
を
彼
かれ
になし
給
たま
ひしなり』
3
また
再
ふたゝ
び
言
い
ふ『ハレルヤ、
彼
かれ
の
燒
や
かるる
烟
けむり
は
世々
よゝ
限
かぎ
りなく
立
た
ち
昇
のぼ
るなり』
4
爰
こゝ
に
二十四人
にじふよにん
の
長老
ちゃうらう
と
四
よ
つの
活物
いきもの
と
平󠄃伏
ひれふ
して
御座
みくら
に
坐
ざ
したまふ
神
かみ
を
拜
はい
し『アァメン、ハレルヤ』と
言
い
へり。
529㌻
5
また
御座
みくら
より
聲
こゑ
出
い
でて
言
い
ふ 『すべて
神
かみ
の
僕
しもべ
たるもの、
神
かみ
を
畏
おそ
るる
者
もの
よ、
小
せう
なるも
大
だい
なるも、
我
われ
らの
神
かみ
を
讃
ほ
め
奉
まつ
れ』
6
われ
大
おほい
なる
群衆
ぐんじゅう
の
聲
こゑ
おほくの
水
みづ
の
音󠄃
おと
のごとく、
烈
はげ
しき
雷霆
いかづち
の
聲
こゑ
の
如
ごと
きものを
聞
き
けり。
曰
いは
く 『ハレルヤ、
全󠄃能
ぜんのう
の
主
しゅ
、われらの
神
かみ
は
統治
すべしら
すなり、
〘385㌻〙
7
われら
喜
よろこ
び
樂
たの
しみて
之
これ
に
榮光
えいくわう
を
歸
き
し
奉
まつ
らん。そは
羔羊
こひつじ
の
婚姻
こんいん
の
時
とき
いたり、
旣
すで
にその
新婦󠄃
はなよめ
みづから
準備
そなへ
したればなり。
8
彼
かれ
は
輝
かゞや
ける
潔󠄄
きよ
き
細布
ほそぬの
を
著
き
ることを
許
ゆる
されたり、
此
こ
の
細布
ほそぬの
は
聖󠄄徒
せいと
たちの
正
たゞ
しき
行爲
おこなひ
なり』
9
御使
みつかひ
また
我
われ
に
言
い
ふ『なんぢ
書
か
き
記
しる
せ、
羔羊
こひつじ
の
婚姻
こんいん
の
宴席
ふるまひ
に
招
まね
かれたる
者
もの
は
幸福
さいはひ
なり』と。また
我
われ
に
言
い
ふ『これ
神
かみ
の
眞
まこと
の
言
ことば
なり』
10
我
われ
その
足下
あしもと
に
平󠄃伏
ひれふ
して
拜
はい
せんとしたれば、
彼
かれ
われに
言
い
ふ『
愼
つゝし
みて
然
しか
すな、
我
われ
は
汝
なんぢ
およびイエスの
證
あかし
を
保
たも
つ
汝
なんぢ
の
兄弟
きゃうだい
とともに
僕
しもべ
たるなり。なんぢ
神
かみ
を
拜
はい
せよ、イエスの
證
あかし
は
即
すなは
ち
預言
よげん
の
靈
れい
なり』
11
我
われ
また
天
てん
の
開
ひら
けたるを
見
み
しに、
視
み
よ、
白
しろ
き
馬
うま
あり、
之
これ
に
乘
の
りたまふ
者
もの
は「
忠實
ちゅうじつ
また
眞
まこと
」と
稱
とな
へられ、
義
ぎ
をもて
審
さば
き、かつ
戰
たゝか
ひたまふ。
12
彼
かれ
の
目
め
は
燄
ほのほ
のごとく、その
頭
かうべ
には
多
おほ
くの
冠冕
かんむり
あり、また
記
しる
せる
名
な
あり、
之
これ
を
知
し
る
者
もの
は
彼
かれ
の
他
ほか
になし。
13
彼
かれ
は
血
ち
に
染
そ
みたる
衣
ころも
を
纒
まと
へり、その
名
な
は「
神
かみ
の
言
ことば
」と
稱
とな
ふ。
14
天
てん
に
在
あ
る
軍勢
ぐんぜい
は
白
しろ
く
潔󠄄
きよ
き
細布
ほそぬの
を
著
き
、
馬
うま
に
乘
の
りて
彼
かれ
にしたがふ。
15
彼
かれ
の
口
くち
より
利
と
き
劍
つるぎ
いづ、
之
これ
をもて
諸國
しょこく
の
民
たみ
をうち、
鐵
てつ
の
杖
つゑ
をもて
之
これ
を
治
をさ
め
給
たま
はん。また
自
みづか
ら
全󠄃能
ぜんのう
の
神
かみ
の
烈
はげ
しき
怒
いかり
の
酒槽
さかぶね
を
踐
ふ
みたまふ。
16
その
衣
ころも
と
股
もゝ
とに『
王
わう
の
王
わう
、
主
しゅ
の
主
しゅ
』と
記
しる
せる
名
な
あり。
17
我
われ
また
一人
ひとり
の
御使
みつかひ
の
太陽
たいやう
のなかに
立
た
てるを
見
み
たり。
大聲
おほごゑ
に
呼
よば
はりて、
中空󠄃
なかぞら
を
飛
と
ぶ
凡
すべ
ての
鳥
とり
に
言
い
ふ『いざ
神
かみ
の
大
おほい
なる
宴席
ふるまひ
に
集
つど
ひきたりて、
530㌻
18
王
わう
たちの
肉
にく
、
將校
しゃうこう
の
肉
にく
、
强
つよ
き
者
もの
の
肉
にく
、
馬
うま
と
之
これ
に
乘
の
る
者
もの
との
肉
にく
、すべての
自主
じしゅ
および
奴隷
どれい
、
小
せう
なるもの
大
だい
なる
者
もの
の
肉
にく
を
食󠄃
くら
へ』
19
我
われ
また
獸
けもの
と
地
ち
の
王
わう
たちと
彼
かれ
らの
軍勢
ぐんぜい
とが
相
あひ
集
あつま
りて、
馬
うま
に
乘
の
りたまふ
者
もの
および
其
そ
の
軍勢
ぐんぜい
に
對
むか
ひて
戰鬪
たゝかひ
を
挑
いど
むを
見
み
たり。
20
かくて
獸
けもの
は
捕
とら
へられ、
又󠄂
また
その
前󠄃
まへ
に
不思議
ふしぎ
を
行
おこな
ひて
獸
けもの
の
徽章
しるし
を
受
う
けたる
者
もの
と、その
像
ざう
を
拜
はい
する
者
もの
とを
惑
まどは
したる
僞
にせ
預言者
よげんしゃ
も、
之
これ
とともに
捕
とら
へられ、
二
ふた
つながら
生
い
きたるまま
硫黄
いわう
の
燃
も
ゆる
火
ひ
の
池
いけ
に
投
な
げ
入
い
れられたり。
21
その
他
ほか
の
者
もの
は
馬
うま
に
乘
の
りたまふ
者
もの
の
口
くち
より
出
い
づる
劍
つるぎ
にて
殺
ころ
され、
凡
すべ
ての
鳥
とり
その
肉
にく
を
食󠄃
くら
ひて
飽󠄄
あ
きたり。
第20章
1
我
われ
また
一人
ひとり
の
御使
みつかひ
の
底
そこ
なき
所󠄃
ところ
の
鍵
かぎ
と
大
おほい
なる
鎖
くさり
とを
手
て
に
持
も
ちて、
天
てん
より
降
くだ
るを
見
み
たり。
2
彼
かれ
は
龍󠄇
たつ
、すなわち
惡魔󠄃
あくま
たりサタンたる
古
ふる
き
蛇
へび
を
捕
とら
へて、
之
これ
を
千年
せんねん
のあひだ
繋
つな
ぎおき、
3
底
そこ
なき
所󠄃
ところ
に
投
な
げ
入
い
れ
閉
と
ぢ
込󠄃
こ
めて、その
上
うへ
に
封印
ふういん
し、
千年
せんねん
の
終󠄃
をは
るまでは
諸國
しょこく
の
民
たみ
を
惑
まどは
すこと
勿
なか
らしむ。その
後
のち
、
暫時
しばし
のあひだ
解
と
き
放
はな
さるべし。
〘386㌻〙
4
我
われ
また
多
おほ
くの
座位
くらゐ
を
見
み
しに、
之
これ
に
座
ざ
する
者
もの
あり、
審判󠄄
さばき
する
權威
けんゐ
を
與
あた
へられたり。
我
われ
またイエスの
證
あかし
および
神
かみ
の
御言
みことば
のために
馘
くびき
られし
者
もの
の
靈魂
たましひ
、また
獸
けもの
をもその
像
ざう
をも
拜
はい
せず
己
おの
が
額
ひたひ
あるひは
手
て
にその
徽章
しるし
を
受
う
けざりし
者
もの
どもを
見
み
たり。
彼
かれ
らは
生
い
きかへりて
千年
せんねん
の
間
あひだ
キリス
5
(その
他
ほか
の
死人
しにん
は
千年
せんねん
の
終󠄃
をは
るまで
生
い
きかへらざりき)これは
第一
だいいち
の
復活
よみがへり
なり。
6
幸福
さいはひ
なるかな、
聖󠄄
せい
なるかな、
第一
だいいち
の
復活
よみがへり
に
干
あづか
る
人
ひと
。この
人々
ひとびと
に
對
たい
して
第二
だいに
の
死
し
は
權威
けんゐ
を
有
も
たず、
彼
かれ
らは
神
かみ
とキリストとの
祭司
さいし
となり、キリストと
共
とも
に
千年
せんねん
のあひだ
王
わう
たるべし。
531㌻
7
千年
せんねん
終󠄃
をは
りて
後
のち
サタンは
其
そ
の
檻
をり
より
解
と
き
放
はな
たれ、
8
出
い
でて
地
ち
の
四方
しはう
の
國
くに
の
民
たみ
、ゴグとマゴグとを
惑
まどは
し
戰鬪
たゝかひ
のために
之
これ
を
集
あつ
めん、その
數
かず
は
海
うみ
の
砂
すな
のごとし。
9
斯
かく
て
彼
かれ
らは
地
ち
の
全󠄃面
ぜんめん
に
上
あが
りて
聖󠄄徒
せいと
たちの
陣營
ぢんえい
と
愛
あい
せられたる
都
みやこ
とを
圍
かこ
みしが、
天
てん
より
火
ひ
くだりて
彼
かれ
等
ら
を
燒
や
き
盡
つく
し、
10
彼
かれ
らを
惑
まどは
したる
惡魔󠄃
あくま
は、
火
ひ
と
硫黄
いわう
との
池
いけ
に
投
な
げ
入
い
れられたり。ここは
獸
けもの
も
僞
にせ
預言者
よげんしゃ
もまた
居
を
る
所󠄃
ところ
にして、
彼
かれ
らは
世々
よゝ
限
かぎ
りなく
晝
ひる
も
夜
よる
も
苦
くる
しめらるべし。
11
我
われ
また
大
おほい
なる
白
しろ
き
御座
みくら
および
之
これ
に
座
ざ
し
給
たま
ふものを
見
み
たり。
天
てん
も
地
ち
もその
御顏
みかほ
の
前󠄃
まへ
を
遁
のが
れて
跡
あと
だに
見
み
えずなりき。
12
我
われ
また
死
し
にたる
者
もの
の
大
だい
なるも
小
せう
なるも
御座
みくら
の
前󠄃
まへ
に
立
た
てるを
見
み
たり。
而
しか
して
數々
かずかず
の
書
ふみ
展
ひら
かれ、
他
ほか
にまた
一
ひと
つの
書
ふみ
ありて
展
ひら
かる。
即
すなは
ち
生命
いのち
の
書
ふみ
なり、
死人
しにん
は
此
これ
等
ら
の
書
ふみ
に
記
しる
されたる
所󠄃
ところ
の、その
行爲
おこなひ
に
隨
したが
ひて
審
さば
かれたり。
13
海
うみ
はその
中
なか
にある
死人
しにん
を
出
いだ
し、
死
し
も
陰府
よみ
もその
中
なか
にある
死人
しにん
を
出
いだ
したれば、
各自
おのおの
その
行爲
おこなひ
に
隨
したが
ひて
審
さば
かれたり。
14
斯
かく
て
死
し
も
陰府
よみ
も
火
ひ
の
池
いけ
に
投
な
げ
入
い
れられたり、
此
こ
の
火
ひ
の
池
いけ
は
第二
だいに
の
死
し
なり。
15
すべて
生命
いのち
の
書
ふみ
に
記
しる
されぬ
者
もの
は、みな
火
ひ
の
池
いけ
に
投
な
げ
入
い
れられたり。
第21章
1
我
われ
また
新
あたら
しき
天
てん
と
新
あたら
しき
地
ち
とを
見
み
たり。これ
前󠄃
さき
の
天
てん
と
前󠄃
さき
の
地
ち
とは
過󠄃
す
ぎ
去
さ
り、
海
うみ
も
亦
また
なきなり。
2
我
われ
また
聖󠄄
せい
なる
都
みやこ
、
新
あたら
しきエルサレムの、
夫
をっと
のために
飾󠄃
かざ
りたる
新婦󠄃
はなよめ
のごとく
準備
そなへ
して、
神
かみ
の
許
もと
をいで、
天
てん
より
降
くだ
るを
見
み
たり。
3
また
大
おほい
なる
聲
こゑ
の
御座
みくら
より
出
い
づるを
聞
き
けり。
曰
いは
く『
視
み
よ、
神
かみ
の
幕屋
まくや
、
人
ひと
と
偕
とも
にあり、
神
かみ
、
人
ひと
と
偕
とも
に
住󠄃
す
み、
人
ひと
、
神
かみ
の
民
たみ
となり、
神
かみ
みづから
人
ひと
と
偕
とも
に
在
いま
して、
532㌻
4
かれらの
目
め
の
淚
なみだ
をことごとく
拭
ぬぐ
ひ
去
さ
り
給
たま
はん。
今
いま
よりのち
死
し
もなく、
悲歎
かなしみ
も、
號叫
さけび
も、
苦痛
くるしみ
もなかるべし。
前󠄃
さき
のもの
旣
すで
に
過󠄃
す
ぎ
去
さ
りたればなり』
〘387㌻〙
5
斯
かく
て
御座
みくら
に
坐
ざ
し
給
たま
ふもの
言
い
ひたまふ『
視
み
よ、われ
一切
すべて
のものを
新
あらた
にするなり』また
言
い
ひたまふ『
書
か
き
記
しる
せ、これらの
言
ことば
は
信
しん
ずべきなり、
眞
まこと
なり』
6
また
我
われ
に
言
い
ひたまふ『
事
こと
すでに
成
な
れり、
我
われ
はアルパなり、オメガなり、
始
はじめ
なり、
終󠄃
をはり
なり、
渇
かわ
く
者
もの
には
價
あたひ
なくして
生命
いのち
の
水
みづ
の
泉
いづみ
より
飮
の
むことを
許
ゆる
さん。
7
勝󠄃
かち
を
得
う
る
者
もの
は
此
これ
等
ら
のものを
嗣
つ
がん、
我
われ
はその
神
かみ
となり、
彼
かれ
は
我
わ
が
子
こ
とならん。
8
されど
臆
おく
するもの、
信
しん
ぜぬもの、
憎
にく
むべきもの、
人
ひと
を
殺
ころ
すもの、
淫行
いんかう
のもの、
咒術
まじわざ
をなすもの、
偶像
ぐうざう
を
拜
はい
する
者
もの
および
凡
すべ
て
僞
いつは
る
者
もの
は、
火
ひ
と
硫黄
いわう
との
燃
も
ゆる
池
いけ
にて
其
そ
の
報
むくい
を
受
う
くべし、これ
第二
だいに
の
死
し
なり』
9
最後
いやはて
の
七
なゝ
つの
苦難
くるしみ
の
滿
み
ちたる
七
なゝ
つの
鉢
はち
を
持
も
てる
七人
しちにん
の
御使
みつかひ
の
一人
ひとり
きたり、
我
われ
に
語
かた
りて
言
い
ふ『
來
きた
れ、われ
羔羊
こひつじ
の
妻
つま
なる
新婦󠄃
はなよめ
を
汝
なんぢ
に
見
み
せん』
10
御使
みつかひ
、
御靈
みたま
に
感
かん
じたる
我
われ
を
携
たづさ
へて
大
おほい
なる
高
たか
き
山
やま
にゆき、
聖󠄄
せい
なる
都
みやこ
エルサレムの、
神
かみ
の
榮光
えいくわう
をもて
神
かみ
の
許
もと
を
出
い
でて
天
てん
より
降
くだ
るを
見
み
せたり。
11
その
都
みやこ
の
光輝
かゝやき
はいと
貴
たふと
き
玉
たま
のごとく、
透󠄃徹
すきとほ
る
碧玉
へきぎょく
のごとし。
12
此處
ここ
に
大
おほい
なる
高
たか
き
石垣
いしがき
ありて
十二
じふに
の
門
もん
あり、
門
もん
の
側
かたは
らに
一人
ひとり
づつ
十二
じふに
の
御使
みつかひ
あり、
門
もん
の
上
うへ
に
一
ひと
つづつイスラエルの
子孫
しそん
の
十二
じふに
の
族
やから
の
名
な
を
記
しる
せり。
13
東
ひがし
に
三
み
つの
門
もん
、
北
きた
に
三
み
つの
門
もん
、
南
みなみ
に
三
み
つの
門
もん
、
西
にし
に
三
み
つの
門
もん
あり。
14
都
みやこ
の
石垣
いしがき
には
十二
じふに
の
基
もとゐ
あり、これに
羔羊
こひつじ
の
十二
じふに
の
使徒
しと
の
十二
じふに
の
名
な
を
記
しる
せり。
15
我
われ
と
語
かた
る
者
もの
は
都
みやこ
と
門
もん
と
石垣
いしがき
とを
測
はか
らん
爲
ため
に
金
きん
の
間竿
けんざを
を
持
も
てり。
533㌻
16
都
みやこ
は
方形
はうけい
にして、その
長
なが
さ
廣
ひろ
さ
相
あひ
均
ひと
し。
彼
かれ
は
間竿
けんざを
にて
都
みやこ
を
測
はか
りしに
一千
いちせん
二百
にひゃく
町
ちゃう
あり、
長
なが
さ
廣
ひろ
さ
高
たか
さみな
相
あひ
均
ひと
し。
17
また
石垣
いしがき
を
測
はか
りしに
人
ひと
の
度
はかり
、すなはち
御使
みつかひ
の
度
はかり
に
據
よ
れば
百
ひゃく
四十
しじふ
四
し
尺
しゃく
あり。
18
石垣
いしがき
は
碧玉
へきぎょく
にて
築
きづ
き、
都
みやこ
は
淸
きよ
らかなる
玻璃
はり
のごとき
純金
じゅんきん
にて
造󠄃
つく
れり。
19
都
みやこ
の
石垣
いしがき
の
基
もとゐ
は、さまざまの
寶石
はうせき
にて
飾󠄃
かざ
れり。
第一
だいいち
の
基
もとゐ
は
碧玉
へきぎょく
、
第二
だいに
は
瑠璃
るり
、
第三
だいさん
は
玉髓
ぎょくずい
、
第四
だいし
は
緑玉
りょくぎょく
、
20
第五
だいご
は
紅縞
あかじま
瑪瑙
めのう
、
第六
だいろく
は
赤瑪瑙
あかめのう
、
第七
だいしち
は
貴橄欖石
きかんらんせき
、
第八
だいはち
は
緑柱石
りょくちゅうせき
、
第
だい
九
く
は
黄玉石
くわうぎょくせき
、
第
だい
十
じふ
は
緑玉髓
りょくぎょくずゐ
、
第
だい
十
じふ
一
いち
は
靑玉
せいぎょく
、
第
だい
十二
じふに
は
紫
むらさき
水晶
ずゐしゃう
なり。
21
十二
じふに
の
門
もん
は
十二
じふに
の
眞珠
しんじゅ
なり、おのおのの
門
もん
は
一
ひと
つの
眞珠
しんじゅ
より
成
な
り、
都
みやこ
の
大路
おほじ
は
透󠄃徹
すきとほ
る
玻璃
はり
のごとき
純金
じゅんきん
なり。
22
われ
都
みやこ
の
內
うち
にて
宮
みや
を
見
み
ざりき、
主
しゅ
なる
全󠄃能
ぜんのう
の
神
かみ
および
羔羊
こひつじ
はその
宮
みや
なり。
23
都
みやこ
は
日月
じつげつ
の
照
てら
すを
要󠄃
えう
せず、
神
かみ
の
榮光
えいくわう
これを
照
てら
し、
羔羊
こひつじ
はその
燈火
あかり
なり。
24
諸國
しょこく
の
民
たみ
は
都
みやこ
の
光
ひかり
のなかを
步
あゆ
み、
地
ち
の
王
わう
たちは
己
おの
が
光榮
くわうえい
を
此處
ここ
に
携
たづさ
へきたる。
〘388㌻〙
25
都
みやこ
の
門
もん
は
終󠄃日
ひねもす
閉
と
ぢず(
此處
ここ
に
夜
よ
あることなし)
26
人々
ひとびと
は
諸國
しょこく
の
民
たみ
の
光榮
くわうえい
と
尊󠄅貴
たふとき
とを
此處
ここ
にたづさえ
來
きた
らん。
27
凡
すべ
て
穢
けが
れたる
者
もの
、また
憎
にく
むべき
事
こと
と
虛僞
いつはり
とを
行
おこな
ふ
者
もの
は、
此處
ここ
に
入
い
らず、
羔羊
こひつじ
の
生命
いのち
の
書
ふみ
に
記
しる
されたる
者
もの
のみ
此處
ここ
に
入
い
るなり。
第22章
1
御使
みつかひ
また
水晶
すゐしゃう
のごとく
透󠄃徹
すきとほ
れる
生命
いのち
の
水
みづ
の
河
かは
を
我
われ
に
見
み
せたり。この
河
かは
は
神
かみ
と
羔羊
こひつじ
との
御座
みくら
より
出
い
でて
都
みやこ
の
大路
おほじ
の
眞中
まなか
を
流
なが
る。
2
河
かは
の
左右
さいう
に
生命
いのち
の
樹
き
ありて
十二
じふに
種
しゅ
の
實
み
を
結
むす
び、その
實
み
は
月
つき
每
ごと
に
生
しゃう
じ、その
樹
き
の
葉
は
は
諸國
しょこく
の
民
たみ
を
醫
いや
すなり。
3
今
いま
よりのち
詛
のろ
はるべき
者
もの
は
一
ひと
つもなかるべし。
神
かみ
と
羔羊
こひつじ
との
御座
みくら
は
都
みやこ
の
中
うち
にあり。その
僕
しもべ
らは
之
これ
に
事
つか
へ、
534㌻
4
且
かつ
その
御顏
みかほ
を
見
み
ん、その
御名
みな
は
彼
かれ
らの
額
ひたひ
にあるべし。
5
今
いま
よりのち
夜
よ
ある
事
こと
なし、
燈火
ともしび
の
光
ひかり
をも
日
ひ
の
光
ひかり
をも
要󠄃
えう
せず、
主
しゅ
なる
神
かみ
かれらを
照
てら
し
給
たま
へばなり。
彼
かれ
らは
世々
よゝ
限
かぎ
りなく
王
わう
たるべし。
6
彼
かれ
また
我
われ
に
言
い
ふ『これらの
言
ことば
は
信
しん
ずべきなり、
眞
まこと
なり、
預言者
よげんしゃ
たちの
靈魂
たましひ
の
神
かみ
たる
主
しゅ
は、
速󠄃
すみや
かに
起󠄃
おこ
るべき
事
こと
をその
僕
しもべ
どもに
示
しめ
さんとて
御使
みつかひ
を
遣󠄃
つかは
し
給
たま
へるなり。
7
視
み
よ、われ
速󠄃
すみや
かに
到
いた
らん、この
書
ふみ
の
預言
よげん
の
言
ことば
を
守
まも
る
者
もの
は
幸福
さいはひ
なり』
8
これらの
事
こと
を
聞
き
き、かつ
見
み
し
者
もの
は
我
われ
ヨハネなり。
斯
かく
て
見
み
聞
きゝ
せしとき
我
われ
これらの
事
こと
を
示
しめ
したる
御使
みつかひ
の
足下
あしもと
に
平󠄃伏
ひれふ
して
拜
はい
せんと
爲
せ
しに、
9
かれ
言
い
ふ『つつしみて
然
し
か
爲
す
な、われは
汝
なんぢ
および
汝
なんぢ
の
兄弟
きゃうだい
たる
預言者
よげんしゃ
、また
此
こ
の
書
ふみ
の
言
ことば
を
守
まも
る
者
もの
と
等
ひと
しく
僕
しもべ
たるなり、なんぢ
神
かみ
を
拜
はい
せよ』
10
また
我
われ
に
言
い
ふ『この
書
ふみ
の
預言
よげん
の
言
ことば
を
封
ふう
ずな、
時
とき
近󠄃
ちか
ければなり。
11
不義
ふぎ
をなす
者
もの
はいよいよ
不義
ふぎ
をなし、
不淨
ふじゃう
なる
者
もの
はいよいよ
不淨
ふじゃう
をなし、
義
ぎ
なる
者
もの
はいよいよ
義
ぎ
をおこなひ、
淸
きよ
き
者
もの
はいよいよ
淸
きよ
くすべし。
12
視
み
よ、われ
報
むくい
をもて
速󠄃
すみや
かに
到
いた
らん、
各人
おのおの
の
行爲
おこなひ
に
隨
したが
ひて
之
これ
を
與
あた
ふべし。
13
我
われ
はアルパなり、オメガなり、
最先
いやさき
なり、
最後
いやはて
なり、
始
はじめ
なり、
終󠄃
をはり
なり、
14
おのが
衣
ころも
を
洗
あら
ふ
者
もの
は
幸福
さいはひ
なり、
彼
かれ
らは
生命
いのち
の
樹
き
にゆく
權威
けんゐ
を
與
あた
へられ、
門
もん
を
通󠄃
とほ
りて
都
みやこ
に
入
い
ることを
得
う
るなり。
15
犬
いぬ
および
咒術
まじわざ
をなすもの、
淫行
いんかう
のもの、
人
ひと
を
殺
ころ
すもの、
偶像
ぐうざう
を
拜
はい
する
者
もの
、また
凡
すべ
て
虛僞
いつはり
を
愛
あい
して
之
これ
を
行
おこな
ふ
者
もの
は
外
そと
にあり。
535㌻
16
われイエスは
我
わ
が
使
つかひ
を
遣󠄃
つかは
して
諸
しょ
敎會
けうくわい
のために
此
これ
等
ら
のことを
汝
なんぢ
らに
證
あかし
せり。
我
われ
はダビデの
萠蘗
ひこばえ
また
其
そ
の
裔
すゑ
なり、
輝
かゞや
ける
曙
あけ
の
明星
みゃうじゃう
なり』
〘389㌻〙
17
御靈
みたま
も
新婦󠄃
はなよめ
もいふ『
來
きた
りたまへ』
聞
き
く
者
もの
も
言
い
へ『きたり
給
たま
へ』と、
渇
かわ
く
者
もの
はきたれ、
望󠄇
のぞ
む
者
もの
は
價
あたひ
なくして
生命
いのち
の
水
みづ
を
受
う
けよ。
18
われ
凡
すべ
てこの
書
ふみ
の
預言
よげん
の
言
ことば
を
聞
き
く
者
もの
に
證
あかし
す。もし
之
これ
に
加
くは
ふる
者
もの
あらば、
神
かみ
はこの
書
ふみ
に
記
しる
されたる
苦難
くるしみ
を
彼
かれ
に
加
くは
へ
給
たま
はん。
19
若
も
しこの
預言
よげん
の
書
ふみ
の
言
ことば
を
省
はぶ
く
者
もの
あらば、
神
かみ
はこの
書
ふみ
に
記
しる
されたる
生命
いのち
の
樹
き
、また
聖󠄄
せい
なる
都
みやこ
より
彼
かれ
の
受
う
くべき
分󠄃
ぶん
を
省
はぶ
き
給
たま
はん。
20
これらの
事
こと
を
證
あかし
する
者
もの
いひ
給
たま
ふ『
然
しか
り、われ
速󠄃
すみや
かに
到
いた
らん』アァメン、
主
しゅ
イエスよ、
來
きた
りたまへ。
21
願
ねがは
くは
主
しゅ
イエスの
恩惠
めぐみ
、なんぢら
凡
すべ
ての
者
もの
と
偕
とも
に
在
あ
らんことを。
〘390㌻〙
536㌻